脱毛症ジョークで仮面夫婦の愛が深まった?
ウィル、クリス・ロックに強烈ビンタを食らわす!
今年のアカデミー賞の話題をかっさらったのは間違いなくウィル・スミスだろう。
2017年の授賞式ではウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイが『ラ・ラ・ランド』と作品賞を言い間違えるなど時折オスカーは事件が起きるが、今年も強烈なのが起きた。長編ドキュメンタリー賞のプレゼンターでクリス・ロックが登場した時のことだ。いつものブラック・ジョークで会場を沸かすクリス。その中で、ウィルの妻、ジェイダ・ピンケット・スミスに対して「『G.I.ジェーン』の続編を楽しみにしているよ」と発言し、夫のウィルが壇上に上がりクリスの頬を殴る事件が発生。
ウィルの妻ジェイダは脱毛症に悩んでいた
ウィルの妻ジェイダといえば、2018年に脱毛症を公言し、テレビ番組にて、その恐怖を赤裸々に語ったこともあった。昨年の夏頃だったか、娘に勧められて坊主頭にしたことも記憶に新しい。『G.I.ジェーン』と言えば、デミ・ムーアが髪の毛を剃り上げるシーンが、かなり世界的にも話題になった作品である。当時、女性が髪の毛を刈ることは非常に特異なことだった。しかし、脱毛症と今も闘うジェイダにとっては冗談では済まない発言に変わりはない。
アメリカでは賛否両論、日本ではウィルに賞賛の嵐
早くも世界中で話題沸騰。アメリカでも賛否両論。
クリスへの配慮なき言葉への批判に対して、ウィルの行いは暴力行為だと糾弾する声もある。ちなみに、アカデミー賞公式コメントは「如何なる暴力行為も許さない」としている、過去にワインスタインのセクハラ事件以降、品行方正を徹底しているアカデミー賞らしい発表ではある。
日本では妻の侮辱を晴らした男の中の漢としてウィル・スミスの株が爆上がり。
けどな~なんか違和感あるんだよな~
だって、この2人って仮面夫婦じゃん!
夫婦で温度差?ウィルは発言直後は爆笑していた!
まず、実際に中継を見ていたが、クリスの冗談直後のスミス夫婦の反応は両極端だったからだ。夫のウィルは大爆笑。妻ジェイダはアメリカ人特有の「eye roll」という目を上に向ける「やれやれ」的な反応を示したのだった。その後、笑っているウィルを睨んで、ウィルがブチギレ方向転換。ウィル自身が瞬時に違和感を覚えなかったことは問題ではないか?
お互い不倫してましたよね?
また、夫婦生活がうまくいってない事実は残念ながら映画ファンには周知の事実。特に、2020年夏以降に妻ジェイダが20歳以上も年下の歌手オーガスト・アルシーナと浮気しており、浮気相手も「ウィルも公認の仲だ」と”公認不倫”を暴露しコメント世界が注目、ウィルもそれを認め「一夫一婦制は理解できない」などとトンデモ発言をしている。また、ウィルもウィルで、昨年2021年9月に「結婚外で性的関係を持ったのは妻だけではなかった」と発言し、以前から噂されていた仮面夫婦が現実的であることをふくませていた。ウィルが『ドリーム・プラン』で主演男優として賞レースに浮上してから、真反対のことを言う「良い夫婦アピール」が始まったのだ。
暴力以外に手段はなかったのか?
確かにコメディアンがジョークという言い訳を盾に何でも言って良いとはならない。脱毛症という望まぬ形で今の容姿になった人間に対しては、クリスの冗談は「言葉の暴力」だと思う。
とは言え、だからと言って、ウィルの行動を擁護するつもりも皆無だ。世界が注目するアカデミー賞という影響の大きい壇上で暴力を振るうのは些か冷静さを欠いた行動に思える。舞台裏なら良いのかという訳でも無い。暴力自体は否定しなければならないのだ。今や、世界中でロシアのウクライナへの理不尽な暴力を否定している最中だからだ、尚更である。
ウィル・スミスは正直、15年前にキャリアのピークを終えた俳優である。その復活の場で、しかもキャリア最高の場で、やらかした代償は大きいように感じる。暴力ではなく、壇上に上がっても謝罪を求めるとか、授賞式が終わった後で訴訟に出るなど、オトナな手段はたくさん考えられたからだ。ただ、ひたすら残念でならない。
(文・ROCKinNET.com編集部)
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