SUPERSONICの開催の実情はこれだ!
サマソニ参加歴15年、行かない選択肢はなかった
愛知で開催され大きな批判を呼んだ「NAMIMONOGATARI」の影響で、今最も音楽イベントが置かれる立場が危うくなっている。そんな中で開催された「SUPERSONIC」。個人的な話になって申し訳ないが、サマソニ15年連続参加の古株である、開催が決定した時点で行かない選択肢は無かった。
もちろん、コロナ禍での開催に賛否があるのは重々承知している。しかし、そんな中でも大なり小なり多くのライブやフェスは開催されており、感染対策が取られているのを、この目で確かに見てきたことの安心感もあったし、何よりもクリエイティブ・マンを信頼していた。それと、2018年のサマソニの(東京だけでも)動員は40,000人弱と言われているが、ガラガラで異様な状態だったのも経験し、それよりも人数を絞った開催にディスタンスの確信があったのだ。
会場は30000席以上で10000人弱の動員、十分なスペースはあった
驚くほどのスタッフ巡回の徹底ぶり!完璧な運営!
実際に会場は空いていた。ステージの見えやすいスタンド付近は一部、密状態になっていたが(座席を1つごとに空けるために「ここは座れない」というテープを剥がして隣同士で座ったり、1個空けても顔を近付けて話し込むなど、座席1個だけでいいのか?問題はある、実際の距離で規制かけないとディスタンスを空ける意味は無い)、ただし、マスクをしていない人間はいなかった。
会場内には水すら持ち込みが許されず(水である証明としてレシート提示義務)、荷物検査、検温など、入場は厳戒態勢。会場中に消毒液は置かれていた。スタジアム内は警備スタッフの人数が大袈裟なほどに多く、常に巡回している。異様さすら醸し出していた。マスクを外したり、携帯撮影など、すぐに飛んでいっては注意するなど徹底した完璧な運営だった。忌々しい愛知のフェスで失墜した信頼を、スパソニで取り戻す!そんな気迫すら感じられた。もちろん、行く身としても、そんな開催側の志に同調し協力する気持ちは強かった。
会場内で酒を出さない代わりに、会場外で酒を飲む人も見られた
最大の課題は参加する側の意識の問題か?
今年はZEDDやアラン・ウォーカーなど、EDMの世界的DJ、ダンス系アーティストが中心にラインナップされた。主催の清水氏は、その理由を移動もせずに距離を保って楽しめるからだと言う。ただ、ダンス系中心の客層は中にはヤンチャなのもいて、マナー違反が危惧される。2012年のリアーナがヘッドライナーのサマソニでも、そういったヤンチャ系な客層も多く、それらが飲んだビールを紙コップごと道端に投げ捨てるなどの光景を見たことがあるように。実際に、今年も会場に向かう道中で、酒盛りしながら、酒の缶を片手に騒いでいる連中もいたのは事実だ。けど、そういった者も、あの徹底した管理体制ではガイドラインに大きく逸れた行動はできなかったことが真実である。しかし、会場外の行動も、やはり無視はできない。飲酒することで理性が緩むことで繋がる感染リスクは考えなければ駄目だ、今後は、こういった個人の意識も問題になってこよう。
コロナ禍の開催を批判するマスコミが密になっていた
観客にマイクを向けるマスコミ各社が密になってる皮肉
帰りの電車の混雑は、サマソニの時に嫌というほど経験している。なので、密を避けるためにZEDDのパフォーマンス途中で帰路についた。すると、会場を出たら、案の定、マスコミが集結し、まるで犯罪者に刃を突き立てるかのようにカメラをこちらに向ける。マイク片手に近寄ってきては「感染対策はどうだったか?」問いただす記者。「最高でした」と中指突き立ててその場を去ってやった。感染対策を徹底してきた我々に、カメラの裏側は密になりながら、「フェスだから」という旬のワードで社会悪に仕立て上げようとする不条理には、正直、頭に来ている。愛知の密フェスと一緒にするな!!
洋楽プロモーターは、この1年半、当初は国からの補助金も出ずにひたすら耐えてきた。しかし、海外のアーティストが来日し日本でも音楽イベントが開催できる日常を取り戻す、そんな、当たり前の日常を取り戻すための、大きな意義のある、今年のスパソニ。その小さな断片でもなれていたら嬉しい。ビリー・アイリッシュが、BTSが、ノエル・ギャラガーが、再び来日できる未来を祈って・・・・・・
(文・ROCKinNET.com編集部)
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