世界中の予想を裏切りビヨンセの大名作『Lemonade』が最優秀アルバムを逃した今年のグラミー賞。受賞したアデルの機転の利いたスピーチにより感動エピソードで片付けられがちだが、それではグラミーの、もっと言えば米国の根源的な差別意識は払拭されない。
案の定、各方面からビヨンセに受賞させなかったことへの反論と抗議が殺到している。
中でも怒り心頭なのはフランク・オーシャン!
彼はグラミーの黒人差別の現実から、新作が大ヒットしているにも関わらず同賞へのノミネートすら拒否している。
実は今年はCBSの中継を見ようと思っていた。誰が最優秀アルバム賞を獲るのか見たかったからね。というか、何が本当に最高とは言えないTV番組なのか分かるか?
それは、(ケンドリック・ラマーの)『トゥ・ピンプ・ザ・バタフライ』ではなくて、(テイラー・スイフト)『1989』が、最優秀アルバム賞を獲るということだよ。
あれこそが、俺がこれまで見た最も欠陥があるTV番組だった。視聴者は、あまりにTV番組がつまらなくて眠くなっちゃうから、みんな翌日に選んでYouTubeを見るだけじゃないか。
どうせなら、マジで蓄音機でも使って聴いたらどうだ?僕は今いる最高のアーティストのひとりだ。文化的偏見とお前達が作る番組が生み出す苦痛について話し合いたいなら、もちろん応じるせ?それじゃあな
その他、大手有名各紙も批判!
●NYタイムズ誌
「『白すぎる』グラミー賞が現実となった日」
●ワシントン・ポスト誌
「アデルが、ビヨンセを差し置いて最優秀アルバム賞を受賞したことで、グラミー賞が、今の時代に何の意味もないことが頂点に達した」
●文芸雑誌ニューヨーカー
「毎年、今年こそはと思って見ているが、グラミー賞が時代精神を映し出す日が来るなどということはないのでは?」
●ローリング・ストーン誌
「ビヨンセではなく、アデルが受賞した5つの理由」の理由として「投票者が白人で、年寄りだから」という記事まで掲載している。
決して保守的だからという批判で若者カルチャーに傾倒することが正しいわけでは無いけど、それなりの権威があって、多様性を謳う(特に今年は新大統領誕生に伴う)現代だからこそ、人種の垣根などを感じさせては、今後の同授賞式のボイコットは拡大するだろうし、権威そのものが疑問視されてしまうだろう。
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