早いもので、来年2018年1月下旬に授賞式が催される「第60回グラミー賞」のノミネートが発表された。年末に向けて徐々に街中が慌ただしい空気感になってくる師走直前の、この時期に、来年の話題が出るもんだから、毎年言ってる気がするが、本当に早い・・・・・・
主要4部門のノミネートは次の通り。
●最優秀レコード賞
チャイルディッシュ・ガンビーノ「Redbone」
ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキーfeat.ジャスティン・ビーバー「Despacito」
ジェイ・Z「The Story Of O.J.」
ケンドリック・ラマー「HUMBLE.」
ブルーノ・マーズ「24K Magic」
●最優秀アルバム賞
チャイルディッシュ・ガンビーノ『Awaken, My Love!』
ジェイ・Z『4:44』
ケンドリック・ラマー『DAMN.』
ロード『Melodrama』
ブルーノ・マーズ『24K Magic』
●最優秀楽曲賞
ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキーfeat.ジャスティン・ビーバー「Despacito」
ジェイ・Z「4:44」
ジュリア・マイケルズ「Issues」
ロジック feat.アレッシア・カーラ&カリード「1-800-273-8255」
ブルーノ・マーズ「That’s What I Like」
●最優秀新人賞
アレッシア・カーラ
カリード
リル・ウージー・ヴァート
ジュリア・マイケルズ
SZA
まず驚くのは黒人アーティストの多さだ!
最多ノミネートはJAY-Zの8部門で、それをケンドリック・ラマーと、ブルーノ・マーズが追う形。
今年2017年の授賞式では最優秀アルバム賞がアデルに輝き、ビヨンセの『Lemonade』が受賞を逃したように、グラミーはオーソドックスなポップやロックが評価される偏向的な側面を持ち、ヒップホップ勢を中心にした黒人アーティストが、グラミーには不利である問題点が取り上げられ、フランク・オーシャン、ドレイク、カニエ・ウエスト、ジャスティン・ビーバーまでも、多くのアーティストがボイコットを表明していた。
実際に米国の若い世代は、ヒップホップやR&Bを好んで聴く傾向があるので、老人賞と揶揄されることもしばしば。ここにきて、大きな変革が行われたのは、歴史的なトピックスである。
また、あれだけ商業的にも成功し、「デスパシート」と並んで2017年を代表する曲「シェイプ・オブ・ユー」をリリースしたにも関わらず、エド・シーランが全くソッポ向かれていることに米国中が驚いている。正直、私も驚いた(笑)こういうあからさまな偏向は、何となく、その権威が揺らぎ始めていることで、黒人音楽に媚びへつらっているだけなのかなとか思ったりもするが。
特に今年2017年に世界を席巻した「デスパシート」は最優秀楽曲とレコードにノミネート。同曲が受賞すると英語以外の楽曲による史上初の受賞となり(同曲に参加したジャスティン・ビーバーが歌えない宣言をして物議を醸し出した)、これも歴史的快挙になり要注目である。
是非とも、最優秀アルバムは、ケンドリック・ラマーの『DAMN.』に受賞してほしいところだが、唯一の白人女性であるロードの『Melodrama』も大傑作の呼び声高く、Rolling Stone誌など大手媒体が年間ベスト・アルバムに選出している。一方のケンドリックは、英国の主要3誌(英Q誌、Mojo誌、Uncut誌)がベストに選出している。順当にいけば、ケンドリックになるのだが、そこはグラミーである。壁は高い。仮に受賞したら、99年のローリン・ヒル、2008年のハービー・ハンコック(シンガーではないので除外してもいいと個人的には思ってる)以来の快挙だ。歴史は動くか? とにかく、このノミネーションを見て興奮を抑えられない。2018年1月28日(現地時間)が待ち遠しい!
(文・ROCKinNET.com)
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