遂にディズニーがやりやがった。フォックスの映画やテレビなど主要事業を買収。負債の引き受け分も含めた買収総額は約600億ドル(約7兆円)にのぼるという。ディズニーが買うのはフォックスの映画スタジオ(20世紀FOX)やテレビ番組部門、米国外での放送事業、動画配信Huluの経営権などである。
これまでもピクサーやマーベル、スターウォーズなどを買収し傘下に置いてきたディズニーだが、なぜ今になってここまでの大手を買収する必要があったのだろうか。それには、動画配信事業を取り囲む環境の変化が関わっているように思える。日本でもAmebaTVが話題になったばかりだが、アメリカではAmazonやNetflixなどの動画配信サービスが好調で、市場も急拡大している。ディズニーの主軸となるビジネス形態は、主にキャラクター・ビジネスと、映画供給であった。しかし、Netflixから自身のコンテンツを全面的に取り上げるなどの動向がみられていることから、独自の動画配信サービスの展開を始めるのは想像に易い。そこで配信業で既に成功を収めているフォックスを取り込むことで、所有している数多くのコンテンツや配信網を手に入れることができ、他の追随を許さない程の強靭な配信サービスを展開できるというのが狙いであると思われる。
『アバター』や『エイリアン』、『猿の惑星』などの多数の映画作品の権利がディズニーに移る。また、テレビでは「ザ・シンプソンズ」や「24 TWENTY FOUR」「glee」「ウォーキング・デッド」など世界的に人気のコンテンツを手にすることになる。7兆という金額は凄まじいが、これらのコンテンツから派生する今後の利益を考えれば、お手頃価格なのではないかとすら思えてくるほどの充実したラインナップで、フォックスがいかに優れたスタジオであったことを改めて感じる。
また、映画ファンが気になっているのは、今後フォックスが所有していた作品の権利がディズニーに一元化されることでのコラボだ。例えば、同じマーベルと言えども『X-MEN』や『デッド・プール』の権利はフォックスにあったので、『アベンジャーズ』の仲間には入れなかったのが、今回の買収により可能になったということだ。
また、既に買収されている『スターウォーズ』も、20世紀FOXのお馴染みのファンファーレ後にテーマ曲が流れるという従来通りのオープニングが実現できるかもしれない。個人的にはコレが一番実現してほしい。もともとは、『スターウォーズ』のテーマ曲は、20世紀FOXのファンファーレありきで作られたもの。続三部作ではディズニー製作ということもあり、あのオープニングの高揚感が味わえないのが、少し寂しくもあったので、是非実現を!
(文・ROCKinNET.com)
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