ディランはフジロックで何を歌うのか?
その答えは神のみぞ知るレベルなのである。
酷暑でぜえぜえ言ってる間もなく本格的なフェス・シーズン突入である。
「FUJI ROCK FESTIVAL ’18」が今週末に開催される。今年は何といってもボブ・ディランであろう。ノーベル賞受賞後初となる来日公演となるだけでなく、101回目の公演、来日45周年など記念すべきステージだという。ただでさえ、貴重な来日公演であるにも関わらず、日本のフェスに参加するというのだから、これ以上ない奇跡であり日本の音楽史的にも事件である。
本人はフジロックすら意識していないかも知れない
・・・・・・なんてことは全く気にも留めないのがディランである。
ノーベル賞後初? 45周年? 101回目?(武田鉄矢かって!)そんなの関係ないのだ。
もしかしたら、フェスに出ることすら意味をなさないのかも知れない。ただ気分がフェスだっただけで、別にホール公演でも良かった。ディランはそういう人だ。音楽を奏でる以外のことに全く関心が無いのである。
ノーベル賞にすら媚びないのだからフェスの客に媚びる訳ない
ノーベル賞受賞時がそうだった。受賞意思があるのか否かハッキリしないと一部の世間から否定的な意見が飛んだが、ディランの優先度がノーベル賞よりも先約が勝っただけ。ノーベル賞に媚びないのだから、フジロックの客である我々に媚びるはずがない。通常ならば、ライヴを見せる演者たちは聴衆と一体化していくのを目指す。コール&レスポンスしたり。ストーンズがフェスで往年の超有名なヒット曲を連投するように。
しかし、ディランはしない、媚びない!
意図して媚びないのではない。自分がしたいようにするだけ。
人はディランを解釈しようとするけど、ディランはそんな現象すら何とも思ってない。理解しようとすることが無駄骨なのだ。
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予習が意味を成さないからベスト盤聴いても無駄
だから、予習も意味をなさない。付け焼刃にベストアルバムなんて買っても無駄。何なら自分の曲を演るかも分からない。現に2000年以降は楽曲作って無し、つい最近まで往年のブルースのカヴァーだけしか演らないツアーを行ったことさえある。誰もが知ってる「Blowin’ in the Wind」「Like a Rolling Stone」を演る可能性すら低いかも知れない。演ったとしても「Blowin’ in the Wind」なんかは原曲のメロディは微塵も面影が無い。歌い方も変わってるから何の曲かも分からないだろう。2016年のTOKYO DOME CITY HALLの公演の動画を見ても、果たしてこれがアノ「Blowin’ in the Wind」なのか? と戸惑うほどだった。
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ディランへの願いは絶対に叶わない!
何十年とディランの日本でのプロモートを担当する白木哲也氏はインタビューで「ディランへのお願いは絶対に叶わない」と言っている。
よく“ロックの神様”と呼ばれていますよね。人々の人生に影響を与え、例えようのない唯一無二の存在でもあり、一方で我々大衆の常識を超越してる…そういった意味での「神様」イメージは理解できます。でも神様はお願いすれば叶えてくれることがあるかもしれませんが、ボブ・ディランへのお願いは決して叶わないんです(笑)。「何かこうしてほしい」「こうあって欲しい」とか、ファンとしては「仲良くなりたい」「近づきたい」「会ったら何かを話したい」とか思いがちですけど、そういうことを考えちゃいけない方なんだってことが担当になって初めて身に沁みて分かりました…。真の意味での「芸術家」なんですよ。
初来日の記者会見映像を観ると、「“フォークの神様”と言われてますけど、どうお考えですか?」なんて質問訊くわけですよ。そうするとブスっとして「いや、僕は“フォークの神様”でも“神様”でもない。ただ音楽やってるだけ」と答える。(中略)イメージを勝手に決めつけられたり、変に崇め奉られることは本当にイヤなんでしょうね。常に彼にとっては普通のことをやってるつもりでも、常人にはワケわからない、理解不能ということが多々ある。
理解できないのなら、パソコンの前であれこれ考えたり、歌詞カードを翻訳して想像力を膨らませたりすることも不毛なのである。その場で感じるしかない。生ディランを見るしかない。言ってみれば、ライヴを生で見る。当たり前のことなのである。それで理屈でなく感じたことが真実だと。常人には理解できないとされる言動を起こすイメージが強いが、ディランこそ人間的な言動をしているのかもしれない。
楽しみ以上に緊張感すら漂う心境だ。
生ディランまで一週間を切った。(本当に俺、ディランを見るのか?)
参考引用:barks.jp/news/?id=1000156014&page=3
(文・ROCKinNET.com編集部)
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