本当にメスよりも銃の方が断然似合う男だ。
逆にブルース・ウイルスという俳優は、医者役を、銃ぶっぱなす以外の演技も出来るのだと思ったのが斬新な発見だったかな(笑)
この映画で面白いのは、銃に慣れないがゆえに発砲時に手を負傷するブルースの珍しい姿が見れること。外科医から銃の扱いがだんだんと上達していくヒーローになっていく様が実にかっこいい。
二画面で、片方が、手術しながら人命を救っていく外科医としての姿と、もう片方が犯人の命を奪うための銃を組み立てていくアンチ・ヒーローとしての様が並行して流れるシュールさも趣味の悪い面白みがあった。
パーカーのフードを被るだけという軽装過ぎる変身も用心深くないと思いつつも、どっかで見たことあるなと思い返せば、M・ナイト・シャマラン監督の『アンブレイカブル』まんまだった。
R-15指定なだけはある暴力描写には辟易とするが、もはやブルース怒らせたら半端ないことになるのは、皆が分かっているので「ほら言わんこっちゃない」と全世界で言っていることだろう。同時に、そんなブルースの姿を世界中が待っていた。久々の大スターのアクション姿に痺れる。
『デス・ウィッシュ』本編予告の関西弁編より。
これほど「いてこますぞ!」の似合うハリウッド俳優はいない・・・🤣🤣#ブルースウィルス #デスウィッシュ #映画好きと繋がりたい pic.twitter.com/suRwYiyrzi— ROCKinNET.com (@ROCKinNETcom) 2018年11月18日
74年のチャールズ・ブロンソン主演作「狼よさらば」のリメイクだと知ったのは鑑賞後だった。オリジナルは観ていないが、西部劇で銃をぶっ放してきたブロンソン氏の姿も、ブルースが『ダイハード』を始めとする様々なアクション映画で銃をぶっ放してきた姿も、脈々と受け継がれる、自警精神と銃社会など、アメリカのPOWERの象徴を「是」とする考え方だ。
基本的にはアメリカの銃社会には問題提起をしたい考えでいるが、その是非なんか問うてたら映画なんか観てられない。主人公の自警行為は正義か否かということが劇中でも激論されるが、『ダーティ・ハリー』にせよ「24」にせよ、アメリカの映画やドラマの大半が、そういうグレーな正義で成り立っている。同時期に公開中のデンゼル・ワシントン主演の『イコライザー2』然り、正義貫徹のための暴力は肯定されている。暴力の連鎖、報復の是非とか、延々に応えの出ない問い地獄にハマるが、ブルースの映画を観れば、悪に鉄槌を下す力はあって然りだと確固として思えてくるのだから、この人のカリスマ性は凄い!
談話で解決できるなんて綺麗事は言ってられないという現実をアメリカは映画を通して徹底して描き続ける。問答無用に悪者を銃撃するブルース・ウィルスの姿が最高だった!
(文・ROCKinNET.com編集部)
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