圧巻のアドベンチャーでありDC映画の不評を吹き飛ばす素晴らしいクオリティだった。冒頭はロマンス映画の如き、アクアマンの両親の馴れ初めから紹介。まさかのニコール・キッドマンの登場に驚くも、これで単なるコミック原作映画よりも箔が付いた感も出た。海の女神であるニコールと、人間の漁師の間に生まれた、言わば異種間ハーフであるアクアマンが、海中族の正当な血筋を受け継ぐ異父兄弟に妬まれ、王座をかけて決闘するって話自体は単純ではあるのだが、見せ方の上手さや、詰め込んだ情報量とテイストの多様さで他の追随を許さない無二なヒーロー映画に昇華されていた。言ってみれば、マーベルの『ブラック・パンサー』の逆だね。あっちは異母兄弟がヴィランで反旗を翻していたけど、こっちは正当な血筋ではない方が主人公で王に相応しいと。そんな無骨さが魅力でもあり、歪なヒロイズムが面白おかしかったわけだが。
パッと見の容姿的にヒーローとヴィランがどっちか認識できない例。
はい、差別発言ですね。※人は見た目によらない。
果たして、このゴッツイ髭モジャがニコール・キッドマンから生まれて来るだろうか・・・#アクアマン超ヤバい #アクアマン pic.twitter.com/CuLS41qG2c— ROCKinNET.com (@ROCKinNETcom) 2019年3月3日
特に劇中の終盤に出て来る、深海部のバケモノ(指輪物語のゴラム的な連中)の集団に襲われるシーンの趣味の悪いグロテスクな容姿描写なんか、流石は『SAW』などのホラー映画で一世風靡してきたジェームズ・ワン監督ならではの手腕だと思った。
西洋史が基の映画で幾度と見る決闘シーンで戦士が跨るのが馬ならば、こちとら鮫やら鰐やらに跨って水中大決戦じゃ。流石は『ワイルド・スピード SKY MISSION』で大成功を収めただけはある。舞台が海中になろうとも、そのスピード感は変わらず大迫力の海中アドベンチャーが繰り広げられる。これでワクワクしないわけがない。仕舞には巨大な甲殻類の化けモンが現れるカオス状態になり、圧倒的で大迫力な大作の名に恥じないビジュアルで魅せ付けられた。
ロマンス、母子愛、格闘、化けモン、怪獣、スピード・アクション・・・・・・2時間半と長丁場ながらも、これだけのエッセンスが詰め込まれれば、時間経過も気にならないくらいに映画に入り込めた。昨今のヒーロー映画の長時間化に疑問を呈していたが、優れた映画なら、気にもならないということか。
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バッドマンやスーパーマンばかりが持て囃され、女性ヒーローとして注目されたワンダーウーマン、愛嬌で人気が爆発したフラッシュにさえも存在感を奪われ、『ジャスティス・リーグ』では、あくまで脇中の脇役でしかなかったアクアマンだったが、今のところDC映画史上No.1の出来と断言できるほどに圧倒的なエンターテイメントを展開したと思う。逆に、『ジャスティス・リーグ』続編でのアクアマンの活躍が楽しみになってきた。
(文・ROCKinNET.com編集部)
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