映画レビュー

MIBテイストを踏襲しながらMetooをもクリアした新時代の『メイン・イン・ブラック:インターナショナル』

© 2019 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.

続編の度に迷走してたように見えたMIBシリーズだが、このスピンオフで面目が保たれたように感じる。全くの別物だとか、邪道と言われようと、そもそもMIBってポップ・カルチャーど真ん中に位置する映画だけに、気軽に観てナンボの映画なので一時的でも楽しめれば、それ以上求めるのは野暮ってもん。
第一作目が公開された時に中学か高校かリアルタイムで見た世代だが、あの時はCGで描かれたエイリアンが新鮮で、とにかく視覚的に楽しめただけでも十分だった。そんな時代。
加えて、強面の名優トミー・リー・ジョーンズが、このようなポップコーン映画に出るギャップも話題だった。超売れっ子で旬の俳優だったウィル・スミスとの凸凹コンビっぷりも新鮮でおかしかったし、今じゃ日本の珈琲CMの宇宙人役でお馴染みだが、当時は硬派なトミーのイメージに無かった(実際に続編制作の際に「何が面白いのかサッパリ理解できない」と公言していたくらい)。

今回はトミーは微塵も出ないし、主役のウィルも出ない。
そのことにファンの間では大批判が起こっていたが、代わりに『ゴーストバスターズ』で脳みそ空っぽ男を、『エンドゲーム』ではメタボ神を演じ、コメディアンとしてすっかり定着した、今まさに旬の俳優、クリス・ヘムズワースを主演に迎えた。で、相棒に女性エージェント(テッサ・トンプソン)を加入させたところが如何にも今っぽさを助長させた。Metooとしても正解だ。
しかも、彼女は『メン・イン・ブラック』のmenに疑問を呈するのだから、いよいよ面倒臭い(笑)エマ・トンプソンも「そこは触れないで」と苦い顔で返答するのが可笑しかったが、配役も設定も2019年版にアップデートされていたのは評したい。



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史上最悪の異星人を倒したことで一躍有名になった主人公は新人女性エージェントとタッグを組み、地球にやって来た爬虫類星デブ王子の警備を頼まれるが、その時に受け取った謎の物体を巡りMIBロンドン支部内にスパイが潜んでいることに気付く。主人公たちは、スパイ側が仕掛けていた裏工作によってMIBから追われる立場になってしまうって話で、ドタバタ劇は健在!!
ちなみに・・・・・・クリスが何度も「知恵と銃1丁で」を繰り返すことに注目。(詳細は伏せるが)この何気ない台詞の回収法も王道的だが、MIBならではの(記憶を消す例のペンライトの)設定をうまく利用していたと思う。
これまでのMIBの雰囲気を踏襲しつつも、終始どこかふざけていて緊張感皆無な部分が「らしく」て良い。このように、敢えてキッチュな2流感を出すことで、MIBらしいコメディ映画として、ちょうどいい体温を保持していたことも好感が持てる。

それと、高級車のサイドミラーなどから銃が次々と出て来るメカニカルな描写もナイス過ぎ。ああいうの男子は好き。あと、これまでマイケル・ジャクソン、ジャスティン・ビーバー、レディ・ガガと錚々たるメンバーを地球に潜伏した宇宙人としてカメオ出演させてきたが、今回の宇宙人はアリアナ・グランデだった(笑)


これまではウィルとトミーの年齢差の凸凹感が笑えたが、今回は男女の意識差の凸凹感で夫婦漫才の体を成していた。そういう見方をすれば、これは一種のデートムービーでもあるなと思ったが、それも色男クリスだからこそ成立し得たこと。女性とのバディ映画として彼の存在は絶妙なのだ。そう考えればだ、ウィル無しのMIBに批判が集まっていたが、男ばっかりの映画も作り辛い時代性を考えれば、今回のキャスティングは吉と言える。

本国では評論家に酷評されているらしいが、元のMIBから大したシリーズでもない。先述の通り、ポップ・カルチャーなので細かな理屈と分析はノーセンキュー。大人げない評価は気にしなくて良い。瞬間的に楽しめれば大成功と言える類の映画なのだから。その意味では、このスピンオフは成功していたと個人的には推したい。

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。

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