空前のヒットとなった映画『ジョーカー』で最も印象的なものとして多くの人が挙げるだろう場面は、あの「階段」のシーンではないか。道化師アーサーが社会の理不尽さに抗うように犯罪を繰り返した挙げ句に、ゲイリー・グリッターの「ROCK AND ROLL PART2」に合わせて、陽気に踊りながら階段を降りていくシーンは、まさに希代の悪役の誕生物語としては全てを凝縮しているかのような象徴的なシーンである。
実は今その階段が大変なことになっている。日本でも『君の名は。』や『天気の子』で劇中に出てきたシーンの舞台を映画のファンが訪れる「聖地巡礼」現象が起きるが(今夏は田端の駅前が大変なことになっていた)、まさに世界中から映画を観たファンが毎日大挙押し寄せているというのだ。
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しかし、ここは例えば同じ階段といっても『ローマの休日』のスペイン広場や、『ロッキー』のフィラデルフィア美術館とは違い、観光名所でも何でもない、単なるごくごく普通の町並みの中にある階段である。今でも朝方は通勤ルートであり、昼間はキッズがスケートボードをする場所に過ぎないのだが、インスタ映えを狙った観光客やコスプレイヤーに占領されてしまった。通行妨害、ゴミ問題、交通問題など、その数の多さから、近隣住民は迷惑がってるということだ。遂には、Googleのストリートビューには「ジョーカー階段」と命名されてしまったという。
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階段には地元住民に敬意を払ってほしいとの注意書きが貼られているようで、紙の最後には「これはジョークではない」(映画『ジョーカー』と掛けている冗談)と付け加えられているんだとか。階段の近くに住む男性は「このブームが早く去ってくれるのを望んでいます。」と米Gothamistに話しているという。
(文・ROCKinNET.com編集部)
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