この時期、恒例企画となりました! 個人的に選んじゃいます、素晴らしい邦楽ベスト10!
嵐の活動休止宣言に始まり、ピエール瀧の大麻逮捕事件、NGT48山口真帆の自宅暴行事件に対する事務所との争い、KANA-BOONの飯田失踪と脱退など、ネガティヴなニュースも多い中、今年の日本の音楽業界は米津玄師を筆頭に髭男やあいみょん、KingGnuなど新世代が大きく飛躍し、国民的人気を誇った新時代の幕開けともいうべき年だったかと思います。世界的にはフィジカルセールスは大幅減少傾向にあるものの、日本では未だにパッケージ商法が成功しているとのこと、それだけ熱烈なファンが多いって証拠でもあると思います。
さあ、そんな中、2019年1年間数多くの楽曲を聴き込んできた末に選ばせて頂く「独断で勝手に選ぶベスト邦楽10選」はこれだっ!
第10位「No.999」go!go!vanillas
長谷川プリティ敬祐(Ba)が不慮の事故に遭い療養を余儀なくされても悲しみに暮れることなくフェスやツアーと突っ走った勇姿を年間通じて見てきた。かっこよかった。カントリーをJ-POPの文脈に落とし込む革新性がたまらず好きだったが、この曲を聴くと、さらなる楽曲の振れ幅の可能性を感じ、今後の活躍が楽しみになった。デスから這い上がれ!ゲゲゲの鬼太郎の主題歌ということで描かれたこの歌詞が、プリティに届きますように!来年は四人姿を見せてくれ!
第9位「Fireworks」佐々木亮介(a flood of circle)
バンドでは「ブルーズ以外は音楽じゃねぇ!」と吠えていた佐々木がソロで自由に音楽を作ったら、隠れていた才能を発揮しちゃいましたってことを証明させてみた感じ。オートチューンを多用した今や古典的な手法だが、質感はひたすらにフレッシュ。音楽の振れ幅の広さには脱帽する。
第8位「嘘」さなり
16歳と聴いて驚く。変声期真っ只中な未熟なヴォーカルまでも楽曲の質感に妙にマッチしている。多感期だからこそ書けただろう青臭いリリックも、一度聴いたら忘れられないメロディのキャッチさも完璧で、今後が楽しみな才能!
第7位「まちがいさがし」菅田将暉
吉田拓郎を敬愛する父親のもとフォークに慣れ親しみながら育ったゆえの音楽的センスの高さが成す業か、歌詞を噛み締めるように歌う菅田将暉の無二なヴォーカルに魅了される。今年2019年の邦楽界を席巻した米津玄師が何故この楽曲を自分で歌わず彼に提供したのかの最大の答えだろう。菅田の表現力が素晴らしい、それを見越して楽曲提供する米津も最高だ。
第6位「グランドエスケープfeat.三浦透子」RADWIMPS
2019年を象徴する日本発のエンタメ・コンテンツと言えば映画『天気の子』だろう。日本の大衆文化の明朗さや快活さを的確に表した、祝祭感溢れるキャッチでコーラスを多用した壮快な楽曲は主題歌「愛にできることは~」以上にポップ・ソングとしてのクオリティの高さを感じた。
第5位「白日」King Gnu
井口(Vo/Key)のファルセットから始まり常田(Vo/Gt)のラップへと繋がっていく異様な構造に驚く。Aメロ、Bメロ、サビという従来の邦楽形式に当てはまらないスタイルは正に「鮮烈なオリジナル」であった。ケンドリック・ラマーから強く影響を受けたという常田の独自的ビート感覚で、その異様も確信的にリスナーの耳を離さない、変な中毒性を醸し出す。そんな音楽でシーンのど真ん中に君臨したのだから凄いとしか言いようがない。
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第4位「君が海」My Hair is Bad
懐古主義に徹底して哀愁を漂わせながらも、青春ロックに留まらず、過去を置いて前向きに進んでいる姿勢が読み取れる。今まで終焉を過度に意識する歌詞が多かったマイヘアの変化と成長であると感じた。哀愁と希望が混在する儚さの表現をド直球のロックでやってのける、ライヴの度に「ロックバンドをやりに来た」と言う椎木(Vo)がロックに執着しながら達した高みだと感じた。
第3位「Pretender」Official髭男dism
如何にも狙った感ある王道なのが馴染みやすくて良いし、これこそ自分たちをポップ・バンドと正々堂々と公言する彼らなりの潔さであり、それが大衆受けし国民的ヒットとなった要因にも紐づくと思う。邦楽の歴史を紐解いても、名バラードの恋愛は成就したもの皆無に等しい。《好きだとか無責任に言えたらいいな》というセンチメンタルな歌詞が胸を締め付ける。そんな報われない想いがドラマチックに展開される壮大さに脱帽だった。
第2位「予感」SUPER BEAVER
数年に一度出会える至極の名曲というものがあるとすれば、今年この曲に出会えたことに何より感謝したい。ネガティブな予感に捕らわれがちな現代人に贈る、「それでも良い」という包み込むメッセージ。《名も無き感動に 感情に 気づいた意味をちゃんと愛せるように》と聴き手の感情を肯定する歌詞や想いには涙が溢れる思いだ。彼らが、聴衆の支えであり拠り所であり続ける限り邦楽は廃れない。
第1位「Wasted Night」ONE OK ROCK
欧米のサウンドに傾倒した最新作『Eye of the Storm』の中でも群を抜いて雄大なスケール感を備えたミドル・ロックバラードで、ワンオクの新章到来の予感を感じる名曲。世界に積極的に進出する不安(正にWasted Nightを繰り返しながら)、それを乗り越えていく勇気が自信に変わる(だろう)ポジティヴな感情が入り混じっているtaka自身の複雑な心境が楽曲にドラマ性と深みを与えている。何度聞いても鳥肌が立つ。
来年も素敵な音楽に出会えますように、See you 2020!
(文・ROCKinNET.com編集部)
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