アカデミー賞

トランプ大統領がオスカー受賞の『パラサイト 半地下の家族』に不満爆発!



© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

先日のアカデミー賞で、外国映画としては史上初となる作品賞を含む4部門を受賞した韓国映画『パラサイト 半地下の家族』に対して、トランプ大統領がコロラド州で開いた支持者集会でズバリと苦言を呈した!

アカデミー賞がどれほど酷かったことか。韓国の映画が受賞した。一体どうなっているんだ。韓国とは十分すぎるほどの貿易問題を抱えている。それなのに、今年最高の映画の称号を与えるのか。そんなに良かったか?ちょっと待ってくれ。『風と共に去りぬ』のような映画がいい。復活させよう。『サンセット大通り』もある。たくさんの素晴らしい映画がある。でも、勝者は韓国作品だ。最初は外国作品賞を取ったのかと思った。でも違った。こんなことが今までにあっただろうか

いくら偏向的なトランプ大統領とは言え、貿易等の政治問題と芸術を一緒くたに捉えるのは感心しない。政治とは離れた場所でこそ芸術は成立すべきと思うから。しかも、発言したのが大統領選遊説の場であったことから「アメリカ・ファースト」を掲げる白人支持層への猛アピールに共和党の宿敵“ハリウッド批判”を使ったのが明白なのも、ウンザリ気味ではある。



この発言には、多くの米メディアが取り上げた。
トランプ大統領の宿敵でもあるCNNは「トランプ大統領は一体いつの時代に戻りたいのか? 女性が日常的に差別されていた時代か。『風と共に去りぬ』の時代は、白人男性以外にとっては良いものではなかった」と、ワシントン・ポストも「トランプ大統領の暴言は、外国人嫌悪の負の面を示す良い例だ。馴染みのないものに挑戦しないのなら、多くの優れた芸術を逃すことになる」と痛烈に批判した。
また、ニューヨーク・タイムズは「映画産業は自由主義の砦だと主張する共和党員にとって、アカデミー賞は長年標的にされてきた。今年の授賞式でもトランプ大統領を批判する有名人のスピーチが行われた」と中立的な立場で分析。
『パラサイト』のアメリカの配給会社は「(大統領の批判も)理解できる。トランプ大統領は字幕が読めないから」と揶揄した。


© 2019 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.

また、助演男優賞を受賞したブラッド・ピットについても「特にファンではなかった」とか、「知った風なスピーチをしていた。小利口な男だから!」とコケ降ろした。ブラピは受賞スピーチの冒頭で「この名誉中の名誉を与えてくださったアカデミーに感謝します。スピーチ時間は45秒だけもらえるんだよよね。上院がジョン・ボルトンに与えた時間より多いな。」と皮肉を込めて発言。ブラピは映画『バイス』など共和党批判の映画の製作に名を連ねるなど、反共和党寄りで知られる(ハリウッド俳優は多いけど)。
この発言は、トランプ大統領の権力乱用と議会妨害の罪を問う弾劾裁判で、トランプ大統領の嘘を証言できると考えられたジョン・ボルトン前大統領補佐官に、証言の時間が一切与えられなかったことに由来する。彼が証言しなかったことでトランプは無罪放免となった。

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。


 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. 『君の名は。』遂に北米公開で絶賛の嵐!
  2. パリピが日常悩んでる嫌なことって何?ストレス溜めない極意がULTRA JAPAN…
  3. ノエル兄貴「ロックが衰退したのは『フレンズ』が原因」と独自の分析を披露!
  4. KEYTALKの八木氏はナゼ愛されるのか?その無敵な愛嬌の謎と八木氏のドラムテク…
  5. 『茅ヶ崎物語 ~MY LITTLE HOMETOWN~』からサザンがエロスを歌う…

関連記事

  1. ハリウッド

    【ケイティ謝罪】二大歌姫の確執に急展開!テイラー&ケイティの喧嘩の歴史も振り返る!

    米二大歌姫のバトル、ここに来て急展開が起こった。あれほどT…

  2. アカデミー賞

    【君の名は敗北】アニー賞にジブリ最新作は内容よりコネクション力?

    アニメ界のアカデミー賞と呼ばれるアニー賞が発表されました。…

  3. アカデミー賞

    【映画鑑賞日記】メッセージ

    宇宙人襲来映画は腐るほどあるが、その中でも群を抜いて素晴らしい…

  4. ハリウッド

    2018年も大活躍間違いなし“次世代イケメン俳優”を青田刈り!

    いよいよ本格化してきた賞レース。2017年に輝いた名作映画や俳…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

[PR]
  1. 映画レビュー

    果たして労働は悪なのか?『ちょっと今から仕事やめてくる』に見る現代社会の新価値観…
  2. ニュース

    エルレ細美が「待った!」転売野放し・・・チケットだけじゃないライヴ物販問題を考え…
  3. ニュース

    またもコンサート会場が狙われる「米国史上最悪の銃乱射事件」から音楽ライヴ運営の将…
  4. ハリウッド

    【実は悪事を働いていない?】『美女と野獣』の悪役ガストンから読み解く、強さを求め…
  5. 邦楽

    勝手に選ぶ素晴らしい邦楽たちTOP10 2017
PAGE TOP