ウェスタン・アンド・サザン・オープンに出場した大坂なおみ選手が、8月27日に米ニューヨークで行われる同大会の準決勝にいどむ予定であったが、人種差別に対する抗議の意を表明する意味合いで試合を棄権したことが話題となった。
大坂選手はツイッターにて、英語と日本語両方で「アスリ―トになる前は黒人女性でした。黒人女性としては、テニスをしているのを見るよりも、すぐに気をつけなければならない重要な事柄があるように感じます」「黒人に起こった権利剥奪、全身性人種差別、その他の数え切れないほどの怪物は、私の胃を病気にさせます」とコメントを出した。この抗議は、ジェイコブ・ブレイク氏が、警官から丸腰にも関わらず、子供の目の前で、至近距離から銃で撃たれるという事件を受けてのものだと思われる。
その後、二度目の優勝を飾った全米オープンでも、毎試合異なる黒人の人名が書かれたマスクを着けてコートに姿を見せたことも話題になった。これらの人は白人警官による理不尽な暴力で亡くなった人々であり、先でも述べたジェイコブ・ブレイク氏や、全米に広がった「Black Lives Matter」運動のきっかけにもなった、ジョージ・フロイド氏などの名前も含まれている。選手である以前に、自分のアイデンティティを主張した勇気ある行動には、世界中から多くの賞賛が贈られているが、先日、10月16日で23歳の誕生日を迎えた彼女に、意外な人物から祝福のメッセージが届いたという。
その人物は、ビヨンセだという。ビヨンセは自信のホームページに大坂なおみの幼い時の写真を投稿し「HAPPY BIRTHDAY NAOMI OSAKA」と掲載。感激した大坂は、そのキャプチャをツイッターに投稿している。
😭😭😭 pic.twitter.com/tGbg518S95
— NaomiOsaka大坂なおみ (@naomiosaka) October 16, 2020
また、2019年の全米オープンの4回戦目で敗れた際のオフシーズンでも、偶然にビヨンセとジェイZ夫婦に会った大坂は、その時のことを「オフシーズンにビヨンセとジェイ・Zに会いました。彼女はただただ高価な匂いがして、美しく、そして私を優しく抱きしめてくれました(笑)。私はこれこそまさに天国だと感じました。ビヨンセは私に話しかけ、私のことを誇りに思っていると言ってくれました。私はおどろき、それは本当に貴重な時間でした。」と振り返っている。
まさに今、黒人の立ち位置が危ぶまれているだけに、大坂なおみの行動は、音楽の方面で黒人の起源やアイデンティティを探求し表現しているビヨンセの意志に通じるものがあったのかも知れない。テニス界と音楽界の頂点とも言える、2人の黒人女性の交流には差別に負けんとする力強さを感じ、少し感動を覚えるのであった。
(文・ROCKinNET.com編集部)
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