ゲームに無頓着なもので、原作からの比較は出来ないのだが、どうもゲームファンからしたらイメージと違うようで酷評の嵐。けど、それって結局は、この映画の勝ちを暗示してるように感じる。というのも、アンダーソン監督とミラ姐さんの絶妙なコンビ芸が光った『バイオハザード』の第一作の時の感想と全く同じだからだ。あの時も「ゲームと全然違う」と酷評が続出。しかし、映画シリーズは大成功。15年に渡って6本もの続編が作られた。(下手したら本作を観てる客層の大半が、バイオがはじまった2002年当時、小学生以下の可能性もあるので、そんなこと知らねぇよ!で済まされるかも知れないが。)
まず、コロナ禍でLAやNYの映画館が閉鎖されている昨今、ほとんどの映画が公開延期の中で、このスケール感の映画を観るのが久々なので、その感慨深さと感謝をしたい、映画好きとして。当たり前にあったハリウッド大作が公開されない日常に、王道の娯楽作が目の前で繰り広げられる感動はひとしおである。
まず、砂の中を鮫のように移動する、馬鹿でかいバケモンの描き方も既に見飽きた描写にせよ、求めていた画力がようやく満たされた気がして嬉しい。そして、蜘蛛みたいなバケモンが無数襲ってくるのも『スターシップ・トゥルーパーズ』を彷彿とさせるハイパーさ加減でグッと心掴まれてしまう。
この本編のほとんどが、主人公と価値観も文化も異なる、言葉が通じない男(タイのアクション俳優トニー・ジャーをキャスティングしたセンスは抜群!)とのバディ映画となっているが、その中で、敵か味方かも分からぬために戦ったり、また、仲間と認識する様子も笑えるスパイスが効いていて良い(バケモンの餌役を押し付けるなど)。友好を示すのが、食べ物(チョコレート)を差し出すことというのも大雑把で好きだ。ただ、序盤であるはずの二人の死闘部分が長すぎるという文句もあるらしいのだが、仮に本作がシリーズとして続いていくのであれば、この頃はバケモンを退治するのに、ここまで苦労したというフリが効いていると思えば良い。
ゲームでは、もっと簡単にバケモノを退治できるらしいが(ハンターというくらいだからな)、このくらい悪戦苦闘してくれることで、主人公が戦士に成長していく様相が見れて説得性も増す。
何よりも、御年45歳のミラ姐さんの筋肉質なアクションが全く衰えていないところに脱帽である。非現実的な世界観に、生身の人間として挑むのに説得力がある、この人は。むしろ、それ大前提で成立している映画と言っても過言でないかも。
(文・ROCKinNET.com編集部)
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