今年のゴールデン・グローブ賞はドラマ部門が『1917 命をかけた伝令』、コメディ・ミュージカル部門が『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が受賞した。
主演男優を『ジョーカー』のホアキン・フェニックスと、『ロケットマン』のタロン・エガートンが、助演男優に『ワンハリ』のブラッド・ピットが受賞し、初の役者としてのオスカー獲得に大きな弾みを付けた。
主演女優は『ジュディ 虹の彼方に』のレニー・ゼウィルガーと、『フェアウェル』でアジア人として初のオークワフィナが受賞した。
今年の映画賞のダークホースとなっている韓国映画『パラサイト 半地下の家族』が外国語映画賞を受賞した。多様性に富んだ結果となった。これがアカデミー賞にどう反映されるか楽しみである。
そんなゴールデン・グローブ賞だが、年明けてから最初の大きな映画の祭典でもあることで注目を集めがちである。つい数年前はメリル・ストリープのトランプ大統領の(障害者を差別的に馬鹿にした身振りの真似をしたことに対しての)批判が大きな注目を集めた。今年は何と言っても、司会の俳優でコメディアンのリッキー・ジャーヴェイスの猛毒ジョークが話題だった。
As predicted, @rickygervais hosting the Golden Globes was phenomenal as always. This was one of my favourite lines of the night. Tom Hank’s reaction is priceless #GoldenGlobes pic.twitter.com/5wVzLNuEsx
— Indigo (@IndigoColumn) January 6, 2020
まず、「僕が司会を務めるのは今年が最後だと思うから、怖いものは無い。ケヴィン・ハートが(LGBT差別の)過激なツイートをしてアカデミー賞の司会をクビになったでしょ?僕はラッキーだ、ゴールデン・グローブの主催者は、ほぼ英語ができないから僕が何を言ってるか理解できないだろ」と。ちなみに、リッキーも過去にLGBTに関して過激なツイートをし炎上している経験を持つ。
続けて「僕は皆と同じく今日はリムジンで来たよ。ナンバープレートはフェリシティ・ハフマンだった。おっと、ごめん! 彼女の娘には同情するよ。めっちゃ恥ずかしい経験だっただろうからね」と、昨年不正入学スキャンダルで逮捕された、「デスパレートな妻たち」のフェリシティ・ハフマンを攻撃。
また、「『ワンハリ』って約3時間もある映画だよね。(主演の)ディカプリオは試写会で見てたらしいけど、終わる頃には隣のガールフレンドが、彼に相応しいほど年を取っていたみたいだよ」と、ディカプリオが毎回自分よりもずーっと年下のモデルとデートをしていることにも皮肉った。
そして、最後に「今日受賞する人たちはスピーチで政治的意見を述べるのはやめて欲しい。だって芸能界にいるから世間のことなんて何も知らないでしょ? (環境活動家で有名な)グレタ・トゥーンベリより長く学校にも通ってない」と保守層からの攻撃が絶えないグレタをネタに、会場にいるセレブの学歴の低さをきっぱり批判した。
彼のブラックジョークには俳優トム・ハンクスも微妙な表情。このリアクションは早速ネット上で出回り話題となっている。他にも、スコセッシやデ・ニーロなどの大御所も口をへの字に曲げたまま堅い表情でいたようだった。主演男優を受賞したホアキンも泥酔状態で放送禁止用語連発するなど、お世辞にも、品のある授賞式とは言いがたかったかな。
(文・ROCKinNET.com編集部)
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