エメリッヒは過去の功績に自ら泥を塗ってしまったようだ。
まずは20年経って続編を作った理由が分からない。
例えば、宇宙人が進化してるとか、映像技術の進歩により20年前に表現できなかった戦闘シーンが描けているとか、そういう<進化>がない。ただ、UFOがデカくなってるだけ。
確かに、大都市が派手に壊される映像は、圧倒されることは圧倒されたんだけど、かえって嘘臭く見えてしまったのは、それを観て恐怖を感じることが出来なかったからだ。
例えば、劇中の登場人物が危機に見舞われたり、破壊されていく街の中で『2012』のように逃げ惑うなどのアクションも無いためか、前作よりも面白みに欠けている。
これまでの、どのエメリッヒ作品よりも圧倒的な画力を持った巨大UFOの侵略シーンでさえも、ただ<派手さ>が先行してるだけで、工夫がない。要は見せ方の問題、煽り方の問題だ。
前回は宇宙人自体もあまりハッキリとは見えなかった。
得体の知れない宇宙人への恐怖というものがある。見せない恐怖。
しかし、今回は宇宙人出まくり!それが逆に漫画的に感じてしまって・・・もちろん、そもそもがSF映画なんてジャンル自体が漫画ではあるが、コミックのような安っぽさを、個人的には感じてしまった。
そもそも大統領が戦闘機に乗って闘っちゃうような、<米国万歳>映画ではある。
続編を匂わせるラストではあったけど、それが<今度は逆に人間が宇宙人達を攻撃していく>というのは、いかにも米国の悪い側面が反映されているなと感じたし、本作はやけに中国に媚びへつらっていたのが印象的だが、米国・中国と戦勝国的な物事の発想というのだろうか、そういう侵略主義、横暴的な感じは賛同しかねる。娯楽として成立してればいいけど、この調子では心配だ・・・
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