今年度の賞レースを独占している『ラ・ラ・ランド』で主演を務めた、今をトキメク人気俳優ライアン・ゴズリングが、名優ラッセル・クロウと共演したと聞けば、映画ファンとして観ないわけにはいかないでしょ!しかも、最高にイケてる男性の象徴であるライアンが、ダメンズを演じてると聞けば、尚更観たくなって当然でしょ!その駄目っぷりが、またチャーミングさを醸し出してるから同性としては嫉妬感さえ覚える。女性が思わずほっとけないダメンズを見事に演じきって見せた。やはり、ライアン只者ではない。
そんな終始ヘラヘラしているダメ私立探偵のライアンと、終始仏頂面の暴力的な示談屋のラッセルという凸凹コンビが本当にお似合いなのが良い!
こういうバディー・ムービーの配役は本当に難しいと思う。個性の違う二人を選ぶことは当然としても、それが見た目のバランス、キャラクター像の違和感の無さ、丁々発止の会話劇などがうまいこと調和して成立してなきゃいけない。それが巧みに成立してる最たる成功例は、やはり『スター・ウォーズ』のR2-D2とC3POだと思っているが(=黒沢明監督作『隠し扉の三悪人』の太平と又七ってことでもあるが)
今日本では『相棒』の劇場版最新作が人気らしいが、あんな適当な俳優を当て込むだけじゃ駄目だと思うよ?
そんなナイスな凸凹コンビがポルノ女優殺人事件を追っていくうちに、巨大な陰謀に巻き込まれていく様をコミカルに描いた王道娯楽作。
物語は70年代が舞台で、衣装やセットなど完全にアナログ。しかも、事件の可決方法も悪者を殴る!蹴る!とアナログなのが嬉しい。否定はしないけど、最近のコミック原作の何でもありなCG映画の箸休めには、こういう映画も観ていいと思うんだけどな。
謎が謎を呼ぶ展開は、まるで豪華な火サスのようで、一緒にミステリーを解いていく推理体験ができて、そこまで複雑怪奇でもないから尚一層面白い。見事な伏線が回収される最後にはスッキリとしたカタルシスも待っている。これもアナログでいい。
同時に、ライアンが駄目な人生を取り戻していく成長物語・人生再生のストーリーとなっているのも非常に興味深い。「ダメでもいいじゃん?」「やり直すきっかけはある」といった映画の根底にある優しいメッセージ性に心救われる気がする。
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