誰かに求められること、他人を意識した言動が意味を成す。対象があって、その反応が返ってくることで自分の生を感じることができる。それが、人生なんだと改めて感じた。
これら“無人島劇”の一人芝居の名作は多々ある(J・ローレンスも起きるので厳密には一人ではないが)。分かり易いのはR・ゼメキス監督の『キャスト・アウェイ』なんかが思いつく。他にも、『イントゥ・ザ・ワイルド』、『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』、『127時間』なんかがあるが、このどれもが、命を掛けた必死のドラマがあった。孤独とは生きる上でそれだけの恐怖なんだと。
そういうものに比べると、この映画は実にポップで軽快だ。
冬眠状態に保存され120年掛けて新世界へ飛び立った宇宙船の中で、到着より90年も早く目覚めてしまったクリス・パイン。当然の如く慌てふためくが、切羽詰ってる感じはさほどない。彼の雰囲気のどことないチャラさが『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』に起用される由縁であろうから、欠点ではないと思うが、ここが孤高の演技をしたトム・ハンクスとの違いか。
それとも、そもそも、この映画はそういったところに重点を置いておらず、大衆的な恋愛物語にしたかったのかもしれない。“宇宙版タイタニック”とでも言うべきか。先に言ったポップとは、そういう意味である。
とにかく120年の大規模プロジェクトでありながら、宇宙船の不具合の多さには呆れるほどだが、次々に起こる問題が映画の娯楽性を際立てている。記憶に新しいところでは『ゼロ・グラビティ』なんかが傑作だったが、宇宙映画に新たな良作が加わったと言っていいだろう。
ただ・・・
思ったんだけど、クリスはジェニファーを選んだ理由は容姿が気に入ったからに他ならないが。いくら容姿が美人でも、起きたら性格超最悪だったらどうしたんだろうか?
それこそ、最悪な人生でしかない(笑) なんて余計な心配をしてた。
あと、数秒も出てないアンディ・ガルシアの無駄遣いは何なの?
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