冒頭から何の説明もなく始まるカーチェイスと銃撃戦と大爆発!分かり易い勧善懲悪ながらも、マイケル・ベイ監督濃度100%のド派手アクションで幕を開ける『6アンダーグラウンド』。
完璧過ぎる!
娯楽王者の名に恥じない超大作だった!
スキルも職業もバラバラな6人が集結し、トゥルギスタンの独裁政権の打倒という最難関のミッションに挑むノンストップ・アクション作だ。
登場する人物は互いを数字で呼び合う、主人公の「1」を演じるライアン・レイノルズを筆頭に集まった精鋭チームは、個にまで踏み入れない。詮索しない。余計な感情は持たない。だから、仲間も簡単に見捨てる。そんな「冷たいな~」と思いながらも、実は、現代ほど、個に踏み入れると逆に面倒臭い時代はないんじゃないかと思っている。何でもハラスメントになり得る、誹謗中傷も止まない・・・・・・大衆圧力を遮断してポツンと一軒家に住みたくなる心境。悪くない。人間関係を断てば、面倒臭くないし。人間関係が希薄になりつつあることが問題だったのも過去のことかも知れない。今は希薄くらいが調度良いとさえ思ってしまう時もある。
しかし、共に大きな仕事をする際は例外のようだ。そんな繋がりを断った、人間性を失った者同士の「信頼」に疑念が湧いてくる。『ボヘミアン・ラプソディー』で一躍有名になったベン・ハーデン演じる「4」が危機的な状況に陥った時に、『24/レガシー』のコリー・ホーキンズ演じる「7」が「1」の(仲間を見捨てて任務を優先する)意志に反して援助することで、「1」と「7」は衝突する。本名は明かさないルールを破り、自分の名前を明名前を捨てたキャラクターたちが仲間を助けようと人間ドラマを深めていく様も見モノだった。
彼らは自警団である。報酬は無い。利他的な正義感だけで動く。正義のヒーローとしては鑑のようであるが、何故彼らは危険を顧みず動いたのかと言えば、結局、彼らは誰かに必要とされていたのかも知れない。仲間意識を求めていたように見える。承認欲求が満たされた時、人は例え利益が無くとも動くものなのか甚だ疑問ではあるが、彼らを見ていると互いを番号で無く人間として見た後の方が活き活きとしていることに気付く。
世界各国で撮影された本作だが、特にイタリアのフィレンツェでは「数百年もの歴史を持つ大聖堂の上空わずか3メートルをヘリコプターで旋回して、そのヘリの上でパルクールをするシーンがある」という。しかも、合成では無いと。失敗すれば永久にイタリア追放どころか国際問題になりかねないことを、ベイは喜んでする。生粋の破壊王である。
そんなド派手な一流アクションがNetflix配信で済んでしまうことに、どこか惜しさも感じている。コレ、絶対に劇場の大画面で観た方が良いに決まっている。逆に言えば、それだけのクオリティの映画を作れてしまうNetflix恐るべし!
(文・ROCKinNET.com編集部)
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