2000年のキャメロン・ディアス版も言うほど大した映画かな~と思うんだけど。あれの何が優れていたかって、往年の人気シリーズである『チャーリーズ・エンジェル』を(当時の)今風に蘇らせ映画化した話題性、三人組のエンジェルに掛けて、人気絶頂だった三人組女性ユニット、デスティニーズ・チャイルドの主題歌を起用し、米国の芸能界ど真ん中を突き抜けるような、大衆迎合したムーヴメントを作り出したところにあったと思える。今回もアリアナ・グランデなど売れっ子を三組起用してるけど、二番煎じ感が否めない。
飛ぶ鳥を落とす勢いだったキャメロン・ディアスをメインで迎えたり、『E.T.』で子役だったドリュー・バリモアのカムバックという話題性もあり、芸能のリメイク方法としては計算高くも素直だったのが勝算だったかなと思った。
それから20年経って『チャーリーズ・エンジェル』のリブートが何故失敗に終わったかを問われれば、ひとつは新進気鋭の女優三人の知名度不足、リブート作品の飽和期において「またか感」があったことは大きいだろう。何よりも、コミカルな作風よりも、#MeTooの主張が強いところにクドさを感じてしまったのかなと。流石にチャーリーまでもが女性であるのは行き過ぎで、フェミニズムの暴走とも言うべきドン引き行為で、ハリウッドにおける女性地位向上を履き違えてるなと感じずにはいられない。女優たちが望んでる性差公平とは、こういうことではない。
ただ、個人的にはコレはコレでありだと感じた。今回エンジェルを演じた女優三人も素晴らしかった。ディアス、バリモア、リューと見劣りしない。前シリーズの三人は着せ替え人形のようで、あくまで「お転婆娘」だったのに対して、本作ではアクションも「男顔負け」にまでスケールアップされていたと思う。ここが現代的でもあると思った。同シリーズらしいポップで何処かキッチュな作風は維持できていたが、可愛げはなかったかな。
クリステン・スチュワートはアクション女優として開花したように『トワイライト』の男に揺れ動く女性像は微塵も感じず、『アラジン』の姫のごとき文化系なナオミ・スコットはイメージ通り。そして、今回が初の映画本格進出となるエラ・バリンスカの、まぁ~スタイルの良いこと! 惚れ惚れする女性の格好良さを体現できていたと思う。
王道的なストーリーも潔く、ファッショナブルで煌びやかな新時代エンジェル、十分に娯楽作としては及第点だったと思うのだが・・・・・・興収的に続編は難しいかな?笑
(文・ROCKinNET.com編集部)
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