映画レビュー

【映画レビュー】『チャーリーズ・エンジェル』MeToo主張が強すぎだったのかも?

© 2019 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.

2000年のキャメロン・ディアス版も言うほど大した映画かな~と思うんだけど。あれの何が優れていたかって、往年の人気シリーズである『チャーリーズ・エンジェル』を(当時の)今風に蘇らせ映画化した話題性、三人組のエンジェルに掛けて、人気絶頂だった三人組女性ユニット、デスティニーズ・チャイルドの主題歌を起用し、米国の芸能界ど真ん中を突き抜けるような、大衆迎合したムーヴメントを作り出したところにあったと思える。今回もアリアナ・グランデなど売れっ子を三組起用してるけど、二番煎じ感が否めない。

飛ぶ鳥を落とす勢いだったキャメロン・ディアスをメインで迎えたり、『E.T.』で子役だったドリュー・バリモアのカムバックという話題性もあり、芸能のリメイク方法としては計算高くも素直だったのが勝算だったかなと思った。



それから20年経って『チャーリーズ・エンジェル』のリブートが何故失敗に終わったかを問われれば、ひとつは新進気鋭の女優三人の知名度不足、リブート作品の飽和期において「またか感」があったことは大きいだろう。何よりも、コミカルな作風よりも、#MeTooの主張が強いところにクドさを感じてしまったのかなと。流石にチャーリーまでもが女性であるのは行き過ぎで、フェミニズムの暴走とも言うべきドン引き行為で、ハリウッドにおける女性地位向上を履き違えてるなと感じずにはいられない。女優たちが望んでる性差公平とは、こういうことではない。



ただ、個人的にはコレはコレでありだと感じた。今回エンジェルを演じた女優三人も素晴らしかった。ディアス、バリモア、リューと見劣りしない。前シリーズの三人は着せ替え人形のようで、あくまで「お転婆娘」だったのに対して、本作ではアクションも「男顔負け」にまでスケールアップされていたと思う。ここが現代的でもあると思った。同シリーズらしいポップで何処かキッチュな作風は維持できていたが、可愛げはなかったかな。
クリステン・スチュワートはアクション女優として開花したように『トワイライト』の男に揺れ動く女性像は微塵も感じず、『アラジン』の姫のごとき文化系なナオミ・スコットはイメージ通り。そして、今回が初の映画本格進出となるエラ・バリンスカの、まぁ~スタイルの良いこと! 惚れ惚れする女性の格好良さを体現できていたと思う。

王道的なストーリーも潔く、ファッショナブルで煌びやかな新時代エンジェル、十分に娯楽作としては及第点だったと思うのだが・・・・・・興収的に続編は難しいかな?笑

(文・ROCKinNET.com編集部)
※無断転載・再交付は固く禁ずる。引用の際はURLとサイト名の記述必須。



◆関連記事◆




 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でROCKinNET.comをフォローしよう!

ピックアップ記事

  1. マーベルが『ブラックパンサー』でヒーロー映画初のアカデミー作品賞を獲得するために…
  2. 【速報レポ】My Hair is Badの初武道館公演を観る!椎木が提示した正し…
  3. KEYTALKの八木氏はナゼ愛されるのか?その無敵な愛嬌の謎と八木氏のドラムテク…
  4. 想定外のラストに衝撃!『アベンジャーズ/インフィニティー・ウォー』で初めてアメコ…
  5. またもコンサート会場が狙われる「米国史上最悪の銃乱射事件」から音楽ライヴ運営の将…

関連記事

  1. 映画レビュー

    ハリウッド女優の地位向上以上の続編成功例だった『ゴーストバスターズ』

    30年前は当時の映画興収歴代7位という大ヒットを記録し…

  2. 映画レビュー

    実写版『アラジン』賞賛する言葉が多過ぎて的確な表現探すのが大変なほど名作!

    この映画を賞賛したい言葉が多過ぎて的確な表現を見つけるのに大変…

  3. 映画レビュー

    【映画鑑賞日記】ぼくは明日、昨日のきみとデートする

    (C) 2016「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」製作委員会…

  4. 映画レビュー

    群像劇の大傑作『パトリオット・デイ』を観て感じるテロ時代のリアル

    これぞ、刑事映画だと太鼓判を押したくなるような大傑作だった。この映…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気の記事

  1. 音楽

    【FUJI ROCK直前特集 Part.2】音楽に政治を持ち込むのは是か?非か?…
  2. ニュース

    【歌姫から伝説へ】安室奈美恵に25年分の感謝を!さよなら、ありがとう安室ちゃん!…
  3. ハリウッド

    年収50億のジョニー・デップが破産寸前な理由とは!~お金について考える
  4. 映画レビュー

    『娼年』の実写化で性に真剣に向き合った監督と、素っ裸で腰振りまくった松坂桃李に敬…
  5. ライブレポート

    ELLEGARDEN復活ライヴを観る!10年の活動休止の先にあった変わらない尊さ…
PAGE TOP