空中戦の映像は見事でした。昨今の邦画では最高クラスじゃないかと思えるど迫力でした。ただね、なんかヒーロー漫画原作の映画にしては腑に落ちないというか、スカッと感が無かったんですね。ヒロイズムがきっちりと描かれてないというか。『GANTZ』『図書館戦争』のようなアクション映画を得意とする監督だけに、話がね、薄っぺらいまま映像だけ派手な映画だった印象でね。
配役に憲さんを抜擢したのは絶妙だなと思うんだけど、致命的だなと感じたのは敵役の佐藤健の方がカッコ良過ぎたこと。ヒールに徹し切れていない。憲さん演じる爺と、どっちが主人公でヒーローなのか分からない。確かに、ベジータとか力石徹のようなヒールが支持されるパターンも有りだと思うけど、佐藤健演じる高校生はそれらとは違う。カッコ良く撮っちゃ駄目なんだよね。佐藤健ばかりが、ひたすらカッコ良くて、事務所(アミューズ)の顔色伺ってるのか?とすら思えたくらいで。
映画『 #いぬやしき 』の #佐藤健 が、カッコ良過ぎたのは問題だと思う。これじゃ、どちらが主人公でヒーローなのか分からないじゃん。ヒロイズムやカタルシスが描き切れていないことでもある。
『亜人』で綾野剛に存在感を持って行かれた反動でか、この映画では目立ち過ぎね。 pic.twitter.com/oLYj2jYrf8— ROCKinNET.com (@ROCKinNETcom) 2018年7月16日
この作品って爺が主人公で英雄ってところが最大の魅力なわけでしょ? 日本は加齢をネガティブなものとする風潮があるから、そのギャップを活かしたところに原作の面白みがあるのに、劇中の木梨憲武が駄目なのなんのって。“冴えないからの~実は超人で強くて世界守っちゃって、爺スゲェじゃん!”という前振り~オチの設定が活かされてない。最後までヨタヨタして強くないし、互角に戦えないし、ヒーローじゃないんだよね、あれじゃ機械化された意味ないじゃん?
幼少期に「仮面ノリダー」に笑い憧れた世代としては、あの感覚をもう一度と思っていたけど、それが成されなかったのが残念でならなかった。
それと、やたらと匿名掲示板の書き込みが世論を象徴する声のように扱うの、いい加減に辞めたら?と思う。05年の電車男の流行時をピークに、もはや、利用者も高齢化・減少傾向にあるわけで、ニッチな分野だと思うので、そんなもので佐藤健が一喜一憂すること自体が安直だなと思ったりもしたけど。
しかし、佐藤健の意外に胸筋が凄いことに驚いた。『亜人』では綾野剛に存在感から演技力まで圧倒されて全部持って行かれてた感あるけど、今回は悪い意味でカッコ良過ぎちゃって、目立っちゃいましたね。
(文・ROCKinNET.com編集部)
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