サメ映画の原点にして頂点である名作『JAWS』を『ジュラシックパーク』風味で実現させたような映画だった。サメの恐怖を描いた映画なんぞ、この2010年代では心に響かない。そこでビル6階分に相当する驚愕のサイズで、ビジュアル的な圧倒感を以って見せつけ圧倒させたのが本作だ。いわば『ランペイジ 巨獣大乱闘』並みの単細胞な発想。けど、この単純さが痛快で嫌いではない。
実際に劇中のシーンには無いけど、このポスターのインパクトは相当なものがあった。巨大鮫のサイズ感と、恐怖心を煽るには最高のデザイン。#MEGザモンスター pic.twitter.com/EmpCCD8kri
— ROCKinNET.com (@ROCKinNETcom) 2018年9月26日
そもそも、いくらハリウッド映画お得意のヒロイズムを描いた類の作風とは言え、巨大なサメと海中でタイマン勝負するなんて尋常な発想では無い。けど、それが出来ちゃうのが、ジェイソン・ステイサム。流石である。もともと彼って、飛び込みで英国代表選手の経歴を持っていて、世界大会で12位にまでなった超人。どうりで飛び込み方も泳ぎもうまかったわけだ。しかも、世界的なアクション俳優である。見せるところは見せてくれる。安定のカッコ良さであった。彼無しでは、到底実現できなかっただろう映画だったように思える。
アクション要素の醍醐味と、巨大鮫の圧倒的なビジュアルにより、迫力満点の海洋アクション映画として十分過ぎるほど楽しめた。巨大鮫の暴れようがエゲつなく、通常サイズの鮫もわんさか出て来るが、まるでイワシやアジを見ているよう。『JAWS』ではあんなに恐ろしかった鮫が全然怖くない。それだけ巨大鮫のインパクト勝ちのような感じだった。
巨大鮫と海中でタイマン勝負て・・・
それやって「んな馬鹿な」と思いながらも妙な納得感のある主演務まる俳優って、ブルース・ウイルスを筆頭に、ジェイソン・ステイサム、ドゥウェイン・ジョンソン、ヴィン・ディーゼルあたりしかいませんよね。#MEGザモンスター pic.twitter.com/laHYAq6LoN— ROCKinNET.com (@ROCKinNETcom) 2018年9月26日
ステイサムが深海での任務中に、既に絶滅したとされていた巨大鮫「メガロドン」に襲われ、仲間を失う。その不祥事を責められたステイサムは、メガロドンの存在と事実を話すも誰にも信用されずに職責を追われ、タイで毎日飲んだくれ堕落した生活を送っていた。しかし、彼の元妻を始めとするチームが深海での研究中に謎の巨大生物に襲われたと聞いて、再び深海に潜ることを決意するのであった・・・・・・って話。
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この映画は、とにかく多様な人種が出ている。#TimesUp前後からハリウッドでの人種の多様性は特に重要課題として捉えられているが、そういった脱差別思想以上に、やはり最大マーケットである中国の意識が色濃い。日本人マシオカも出ているが、中国人だと思っている観客も多いんだろうなと思うほど、中国先導映画だった。例えば、ステイサムの元妻役はジェシカ・マクナミーというアメリカ人女優が務めている。しかし、その存在感は消えて行き、映画のヒロインは、中国人女優のリー・ビンビンである。彼女が無謀な行動をして、ステイサムが助けるというシーンが繰り返されるのだ。完全に中国意識。
『ジオストーム』然り、ハリウッド映画にも関わらず、中国の俳優が多数起用され、映画の舞台設定も中国になるというのは、中国企業のハリウッド映画への投資が活発化され、興行面でも「中国で成功すれば大ヒット」とまで言われるほど市場がデカイとされている昨今、当然と言ったら当然なのかもしれないけど、どこかハリウッドが中国に媚びてる感があって、なんだかな~と思う時がたまにある。そもそも、中国は自国向け大作映画が相次いで興行的に失敗しているし、映画を作る能力に欠落している分、金を出す中国・映画を作るハリウッドという構図はWinWinなのかも知れない。中国資本のハリウッド映画は今後ますます増えるだろうが、内容までが支配されているのは嫌なもんだ。
9月上旬。座席が動き、水が噴射したり、空気が掛かったりする4DXで鑑賞したのだが、ほとんど海のシーンなので、ずっと水攻め。俺も流石にビショビショになって途中で勘弁してくれって思ってた。もう、海に入らないでくれって(笑)隣のおばさんなんか遂にはタオルほっかむりしてたし(笑)今年は特に酷暑であったから、あと一カ月公開が早ければ大歓迎だったんだけどなぁ。
(文・ROCKinNET.com編集部)
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