劇場で観ました。
どうも映画をネットとか、今主流のDVDでさえも駄目なもんで近くの劇場でやってくれて良かった。
果たして良かったのか、ぶっちゃけ言ってしまうが、大衆娯楽作では無い覚悟は十分にした上で観て、それでもつまらないと思った。
※注意※
結構、本作や名作への乱暴な批判をしてますので、この映画に好意を抱いてる方の閲覧はご注意ください。ご判断は閲覧者様に任せます。
踏絵になる映画ってあるじゃん?
例えば、キューブリックの『2001年宇宙の旅』なんかもそう。公開された68年当時からすれば人工知能など夢物語であっただろうけど、妙なリアリティを感じたのは、正に2019年現在に実現しつつある技術だからで、その先見性から人類進化論などの哲学的な考察が出来る根源的なテーマ性を鑑みれば、不朽の名作とか金字塔と評されるけど、アレ観て、涙腺緩んで大号泣したとか、アドレナリン大放出で興奮したとか、そういった娯楽的な楽しみ方は無い。映画好き失格と言われそうだが。
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個人的な話になって申し訳ないが、某大学の映画学科を卒業したが、映画ってそもそもが抽象芸術ではないと結論付けた私にとっては、『2001年宇宙の旅』も『ROMA』も同じ。つまらないと言ったらセンス無いように言われがちだけど、いやいや、つまんないでしょって。
『ゼロ・グラビティ』など超SF映画で世界的ヒット作を手掛けてきたキュアロン監督が、まるで小津安二郎の『東京物語』のように、幼き頃の日常を描いた半自伝的な作品だと。その頃の社会背景とかも忠実に描きながら、あざとい目立たせ方をしないで、カメラも左から右ぃ~~、左から右ぃ~~と、横にパンするだけなもんだから、淡々と感じるわけだけど。水や光の使い方、宗教画のようなカット構図など、画ヅラは美しいし、お馴染みの長回しなど、技術的にも凝ってることは分かる。
分かるんだけど
・・・・・・
・・・・・・だから、何だよッ!
家具屋に行ったら学生運動のようなデモが始まって目の前で人が撃たれたり、子供が荒波の中で海水浴しながら溺れたのを救助したり、命の危険を日常に取り入れることで「生」を感じる、生きてる実感を覚えるシーンが印象的だったという強烈な感想はあるんだけど。
この映画って、キュアロン監督の幼き時代のボンヤリした記憶を映像化した映画なわけだ。メキシコってアメリカ南部然り、白人であればあるほど裕福で、先住民は差別され搾取されていたと。名前すら覚えられてないとかね。経済格差も酷くて、その延長上で、政府と過激派が対立している社会構造とかがある。だけども、キュアロン監督は子供だったから理解できなかった。お手伝いさんがいる程度だったけど、先住民、女性がどれほど蔑ろにされてきたかを、大人になったキュアロン監督が今だからこそ謝りたいっていうのが創作意欲に結びついているのではないかなと思う。けどね、だからって本年度のアカデミー賞に最多10部門の候補になったとか、そこまで騒ぐほどの名作かね、これ? ネットフリックスの膨大な宣伝費の影響でしか無いように思える。
こういう抽象的な物を評する時に、本当に映画通であるかが、よく分かる。この映画の感想(称讃)とかYOUTUBEとかブログにあがってるの何人も見て来たけど、浅い、薄い、評価してる割には小学生の読書感想文以下。小学生のほうがマシ。「構図が綺麗でした」とか「長回しが良かったです」とか、上っ面の感想だけ。アホかっちゅうねん! こういう奴らより、よっぽど俺の方が、この映画を理解した上で批判してるように思えるほど、内容が無い感想ばかりだった。ダサいよ、そういうの。美術館で抽象画見て感動したふりするようなダサさというか、こういう地味な抽象的な映画の良さ分かっちゃう俺って通じゃね?ってスケベ根性しか感じないんだわ。
感動も何も無かったわ。
映画的な凄味も何も感じない。
つまんねえなら、つまんねえでいいと思うんだわ。
(文・ROCKinNET.com編集部)
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