1991年の『ターミネーター2』の時代と今では映像技術の革新と、その浸透性に雲泥の差がある分だけ、驚きが少なくなるのは致し方ないのかも知れないが、何よりも残念なのは、敵のREV-9が『T2』でいうT-1000と全く同じ液体金属型で、前回はエドワード・ファーロング(なんと今回でも登場する!)、今回はメキシコの姉ちゃんを抹殺しに来るという目的も同じで、何の斬新さもないことだ。
このシリーズは基本的に鬼ごっこ形態で成立してるので、主人公たちが逃げ切る際の派手なアクションが期待されるが、それも既視感ありありの展開で残念。とは言え、『デッド・プール』を手掛けた監督だけに、スピーディーな超絶アクションが延々と続き、娯楽作として及第点は達成しているのだが、『T2』の正当な続編と銘打っときながら、どこかキャメロンのコピーを作るのに終始したような印象しか残らず残念な気がした。唯一、現代的だなと思ったのは、サラ・コナーや強化人間の姉ちゃんなど、闘うのが女性メインだってところだけ。
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久々のサラ・コナーの登場シーンや「I’ll be back」と言い捨てる感じには痺れたし、ロケット・ランチャーをぶっ放す姿も様になってるし、「Metal Mother Fu**er!(この金属糞野郎)」なんて叫ぶほどファンキーな婆さんぶりが冴え渡ってて爽快だったが、流石に年老いた。御年72歳の老いたシュワちゃんもパワーダウンは否めない衰えよう。せっかくの続編だ、この両者に、もう少し華を持たせてもいい気がした。この共演をシリーズファンも心待ちにしていたのだから!(サラ役のリンダ・ハミルトンは『T2』以降は脚本の出来が良くないと出演を断っていたにも関わらず、なぜ今回は承諾したか謎である)
世界一ロケットランチャーが似合う婆さん👍
カッコ良すぎる✨俺も仕事でイラついた時にやりたい😜#ターミネーター #ターミネーターニューフェイト pic.twitter.com/av3bFijgN4
— ROCKinNET.com (@ROCKinNETcom) December 14, 2019
『T2』の緊迫感は無敵のシュワちゃんが、いくらドンパチ闘っても、それでも決してダメージを受けずに無表情で追ってくるT-1000に恐怖を感じた。あの緊迫感は互角のパワーバランスで成り立っていたと思うと、今回は婆さんと錆び付いたターミネーターでは最初から強敵に立ち向かうなど無茶ぶりとしか思えない。それをカヴァーするほど、強化人間の姉ちゃんも強くなく。ターミネーターは勧善懲悪の物語なのだから、正義が際立つべきだ。『T2』でシュワちゃんが、ファーロングを抱えて逃げる父性にも似た格好良さみたいな、そういうヒロイズムを感じなかったのが致命的だったんじゃないかと思う。
(文・ROCKinNET.com編集部)
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