アンジェリーナ・ジョリーが演じて世界で大ヒットを記録した『トゥームレイダー』から17年も経つと聞いて驚愕する。当時それを観たのが大学生だったから、うん、悲しいかな、計算は合ってるわ。時は残酷だな、年齢重ねるの早過ぎるわ。ってことは、同時に、アンジーも婆さんになる。
それほどの昔の映画だ。現代に、どう蘇らせるのかに興味があった。年齢のこともあろうが、もはや大女優となり、製作も手掛けるなど映画人として格が上がったアンジーが出演する訳ないのは想像に易いが、そこを若手女優アリシア・ヴィカンダーを起用して、一作目の前日譚として描いたことに「なるほど」と思った。
スーパー戦闘ウーマンである、ララ・クロフトが、まだ何者でもない時代を描いているので、ゲーム原作だけにメカニック的だったアンジー版で描かれ切れていなかった主人公の人間性や生い立ちまでも掘り下げられていたのが本作を観て良かったと思える発見であった。単なるアクション映画に、人間ドラマとしての深みを出させた時点で及第点と言えよう。
ただ、やはりReBorn作品の宿命ではあるが、二番煎じ感は否めなかった。そもそもがアンジーは女版インディー・ジョーンズをやっていたし、さらにそんなアクション・シーンの焼き直しのようなものが多かったので、既視感が満載で、正直寝てしまったんだよね。いや、この時期は花粉症(重症です)の薬の副作用との格闘なので、映画観るにも、ひと苦労で。中途半端なものだと一気に寝落ちる。ただ、最初と中盤とラストを観てるので、全編見てなくても、ストーリーは察しが付く。言ってみれば、その程度の話でしかない。
ただ、アリシアの鍛え上げられたボディは見事だったし(腹筋割れてたし、それがセクシーだったし・・・・・・男目線)、若さがゆえに勢い余るアクションには目を見張るものがあって、素晴らしい女優さんだなと感じた。可愛らしいルックスからは想像できない肉体にはギャップ萌え(笑)
けどね、いきなり卑弥呼が魔女で人々を破滅させ、YAMATAIって孤島に島流しにされるとか、歴史認識的にもデタラメもいいところだって設定に唖然茫然とするも(後半で弁解はされるけど)、このように日本が舞台なはずなのに、俳優も中国系アメリカ人だし、いきなり香港行くし、何故か中国ツアーをしている感覚で、japan要素一切なしなのが如何なものかと。それなら卑弥呼じゃなくて楊貴妃の設定で良かったんじゃないか?
事件も解決し、人類滅亡を企む影の組織の存在も浮き彫りになるという、続編ありきのような終わり方をしたので、否応でも三部作程度のシリーズになるんだろうけど。若手女優がアクションに奮闘して、巨大な陰謀と対峙し競っていく設定自体が、どこか『ハンガーゲーム』や『メイズランナー』や『ダイバージェント』のような、ディストピア原作の映画のテンションだなと感じた。というか、もはやソレ。ディストピア化は真逃れそうもないので、公開時期のスピードアップを望むのと、ただ自然の中で飛んだり跳ねたり弓を打つようなありきたりなアクションではない、オリジナルの展開を強く望む。
(文・ROCKinNET.com編集部)
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