『スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム』が世界現象並みに爆発的ヒットを記録している。
※※※注意※※※
この記事には『スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム』の重大なネタバレが含まれています。
これから鑑賞予定で、まだご覧になっていない方は絶対に、これ以降は読まないで下さい。
閲覧の責任は読者の皆様の判断に委ね、一切の責任は問えませんのでご了承下さい。
世界的に大ヒットを飛ばす『ノー・ウェイ・ホーム』
2月8日付で全米累計興収が約7億4,900万ドル(約861億円)に到達。これは、全米興収歴代4位にあたる。そして、海外の成績を合計した全世界累計興収は、約17億7,600万ドル(約2,042億円)となり、歴代6位を記録している(※2月8日付Box Office Mojo調べ/1ドル=115円換算/2月8日現在)。また、洋画不毛といわれる日本でも公開1ヶ月で36億7620万円の特大ヒットを記録、累計動員数は240万人、コロナ禍で公開された洋画としては『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』を抜き首位になっている。
本作の目玉は何と言ってもアノ人達の登場!
とにかく、桁違いの勢いで興収を伸ばしている同作だが、その人気の秘密は、やはりトビー・マグワイア、アンドリュー・ガーフィールドの過去のスパイダーマン2人の登場にあろう。彼らが主演を務めた前2シリーズはSONYが単体で権利を持つ作品だ。今のようにSONYとディズニーが共同権利を有するトム・ホランド版とは事情が異なる。実際に、収益の配分で両社が揉め、スパイダーマンがアベンジャーズ卒業する報道まで出たこともあった。そんな複雑な大人の事情を、マルチユニバースという発想でクリアさせた本作の奇跡の共演は全世界を興奮させた。
映画ファンが薄々勘付いていたに違いない理由
ただ、歴代のスパイダーマンが勢揃いするかも知れないという噂は数年前から絶えなかった。
私も、もしやという淡い期待から高確率で出るだろうとは思っていた。
その理由は・・・・・・
- マルチユニバースという発想で新作が作られるという情報
- 撮影現場にガーフィールド目撃談が報じられたこと
- トムとガーフィールド両者が、その噂の否定が必死すぎてかえってあざとくなったこと(絶対に出演はないがダチョウ倶楽部に思えてきたのだ笑)
- 初代ヒロインのキルスティン・ダンストが本作出演について「私はやるわ」と意欲を示したこと
にある。
実は劇中にあった前フリ「お前は誰だ?」
それを踏まえた上で見ると、目ざとい映画ファンなら、過去のスパイダーマンの登場に薄々勘付いていたに違いない。まず、ドクター・オクトパスがトム・ホランドを捕まえた時に「ピーター・パーカーじゃない、お前は誰だ」と言う。この時点で、トビー・マグワイア登場の「前フリ」ではないかという疑惑が頭をよぎる。
そして、ガーフィールド登場のシーン。マスクを取る前に、どうもトム・ホランドと比べて高身長で体格も良かった。明らかに別人と気付くまでの数秒、ガーフィールドかマグワイアだと思った。また、歴代の敵が暴れ回って手が付けられなくなってきた展開で、これはもう歴代のスパイダーマンが出て来ないと解決は無理でしょ、物語が進行するにつれ、もはや彼らの登場は必然的だと思ってしまったのだ。
しかし、だからと言って、実際にガーフィールドとマグワイアが登場した時に、全く驚きと興奮が無かったわけではない。内なる高揚感は得られた。
先輩スパイダーマンにとってもメリットしかない本作
また、先輩スパイダーマンにとっても本作出演はメリットしかない。
まず、ガーフィールドの『アメージング・スパイダーマン』シリーズは興収不振が理由で、落下する恋人グウェンを助けられないという中途半端なところで完結。後味の悪い結末となった。しかし、本作のヒロインであるゼンデイア演じるMJがタワーから落下し救出するという回収を見事に遂げた。マグワイアもスパイダーマン以降、近年は目立った大作出演に恵まれていない。自身の存在を映画界にアピールするには絶好の機会だと言って良かっただろう。
ヒロインとの交際という共通点も弄るサービス
そして、歴代スパイダーマン俳優3人は私生活でヒロインと交際している共通点がある。そして、ヴィランの治療薬を科学室で開発するシーンで、恋人とはどうなのか私生活に踏み込んだ台詞のやり取りもある。マグワイアは「良い関係(距離感)を見出すことが出来た」と言葉を濁す(シリーズ継続中に破局し、元交際相手と撮影に臨まなければならなかった事実がある)。ガーフィールドは恋人を失い、少し怠惰的な空気感を醸し出す、どこか2019年のアニメ映画『スパイダーバース』で出て来たピーターと印象が交差する。
また、工事中の自由の女神の建築現場で、ヴィランに囲まれ、チームの統制が取れない時に、誰が「1」で「2」でと揉めるシーンがある。もちろん、シリーズの公開順は彼らに無関係だ。ただ、宇宙で怪物(サノス)と闘った経験から、トム・ホランドが指揮を執ることに。宇宙で闘った経験の無い先輩2人は驚くも、マグワイアは「黒い糸状の怪物(ヴェノム)と闘った」と発言、一方でガーフィールドは「僕はサイの姿をしたロシア人」とスケールの小ささに憂うが、「君は『アメージング』だ」と慰められるのも実に面白い。なんとも過剰なファン・サービスだ。
このような、奇跡とも言える共演で、私たちを楽しませてくれたスパイダーマン3人、早くも『アメージング・スパイダーマン』の続編を望む声が出ていたり、エンドロール後に『ヴェノム』が出て来て、今後のコラボ展開が期待されたりと、スパイダーマンだけの独自展開だけでも十分に楽しめそうである。
今後も、スパイダーマンから目が離せない!
(文・ROCKinNET.com編集部)
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