『アベンジャーズ』のスパイダーマン役で知られるトム・ホランドが、実は『スター・ウォーズ』を見たことが無いことが発覚し、『アベンジャーズ』等の監督であるアンソニー&ジョー・ルッソから「見なさい」と言われていたことが明らかになった。
2016年『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の某シーンで、スパイダーマンは『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』で主人公ルークなど反乱軍側が、帝国軍の兵器AT-ATの足をケーブルに結んで倒した戦法をまねて、クモの巣をアントマンの足をくるんで倒すといった場面がある。
その際に、スパイダーマンが「みんな、すっごい昔の映画だけど『帝国の逆襲』って見たことある?」と言うと、ロバート・ダウニー・Jr.演じるアイアンマンに、ドン・チードル演じるウォーマシンが「あいつ、何歳なんだ?」と聞かれ、「知らん!年代測定までしてないけど、相当若いだろうな!」とアイアンマンが答えるのだが、本当に見たことがない世代だということに、ルッソ監督は驚いたようだ。
そして、トムに「俳優である限り過去の名作も見なさい」と言ったという。トムは本当に若い子で『帝国の逆襲』は彼の年齢の2倍くらいあるから無理もないと、一応の理解は示したものの、「実はすごく興奮したよ。だって、トムの感性は僕たちも大好きで評価している。そんな彼のセンスは(僕らが知ってて当たり前とする)スター・ウォーズに影響されていないものなんだからさ」と新鮮さに興奮しているようだった。
『スパイダーマン』の劇中では、トムが演じるピーター・パーカーは『スター・ウォーズ』のファンである設定なのだが、当の本人は見たことが無いと言うのも実に皮肉である。
けど、日本でも最近の若い世代は『スター・ウォーズ』を観たことがないと平気な顔していうから驚く。別に『スター・ウォーズ』を観てないことは何の落ち度もないのだが、さほど映画に興味が無いのだろうと思うので、一定の理解は示すものの、映画館によく行く(たまに行く)と言ってる層にも、そういった人がいることに驚く。そこはどうも許せないのは、要は、テレビ局映画にだけ惹かれて宣伝に釣られている無思考な大衆だからだ。それで映画好きを公言して欲しくはない。
『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ』の成功から、日本映画界はテレビ局支配が進み、同時に、それまで洋画が独占していた映画業界に邦画人気があがり定着するという功績も残した。しかし、テレビに出演タレントが宣伝に出れば、映画の内容関係なくヒットするという功罪も生まれる。日本映画が、ドメスティック産業になった由縁でもある。その行く末が、まさか韓国映画に先にオスカーを獲られることになる(『パラサイト 半地下の家族』が作品賞を受賞する)とも思わなかった。じゃ~『スター・ウォーズ』観てればオスカー獲れたのかと言われれば、そうではないが、娯楽産業の発展が映画界に革新的なものとして訪れず内包的になったことは、映画界のテレビ局支配が進んだことでは、一理あるだろうと思っている。
けど、本国の若者であるトム・ホランドも観たことがないとなれば、時代も変わったのかなと思うのと、『スター・ウォーズ』も古典になってしまってるのかなと思うと、今後のシリーズ発展は、希少性がなくなり、やり過ぎだと思っていたが、新しい世代に繋げるという点においては「アリ」なのかなと思ったりもした。
(文・ROCKinNET.com編集部)
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