いよいよ今年のロッキンも最終日である。後半週は、天気予報では雨予報であったが、雨も降らず助かったし、非常に涼しく快適で天候と気温に恵まれた。フェス感が無いという物足りなさは、確かにあるにせよ、正直涼しいに越したことは無い。昼過ぎはギラギラした太陽が顔を覗かせ、例年のような灼熱地獄になったが、それも一時だった。13年連続で来ているが2014年の台風直撃の年を除き、本当に天気に恵まれるフェスである。雨予報でも何だかんだで晴れる。渋谷陽一氏は晴れ男なのだろうか?
さて、この日も観たいバンドは多く回るのが大変だ。同伴者全員が欅坂ってアイドルが観たいというので、フェスにアイドル不用説を唱える身としては微々たる興味すら湧かず、朝から単独行動に。複数日に渡るフェスで、たまには、ひとりでフェスを堪能するのは伸び伸びできて良いもんだ。
この日観たアーティスト紹介
簡易ライヴレポート
爆弾ジョニー
不調をきたし一時活動を休止していたりょーめー(Vo)が復帰してから、バンドの魅力が増したように思える。完全無欠なロックなんて観てて面白くない。彼らの素人っぽさが好きだ。このバンドにはガムシャラな不器用さと若い勢いと人間味がある。我々に近いところで音を鳴らしてくれる、いま最も青春パンクの王道を後継しているバンドではないか。もっと若い時に出会いたかった。
※注意※
Mrs.GREEN APPLEに関しては批判的な意見を記述しております。不快な想いをされると思いますので、ファンの方は閲覧しないようご注意願います。
Mrs.GREEN APPLE
十数年ロキノン系を好きだと公言していると、中には苦手なバンドが出てくる。全て好きだというのは嘘っぽい。嫌いの線引きがあってこそ、本当にそのジャンルが好きだということ。今勢いに乗ってる彼らがそれだった。ヴォーカルのナルシズム全開なオネエっぽい仕草と口調が受付けなかった。それを死んだ魚のような目でやるのだから余計だ。妙に完成し尽くしている。まるで、芸歴云十年のポップ・シンガーのディナーショーを観ているようで・・・・・・ロックバンドは未完成な部分や不器用さがあってこそ魅力的だ。ミクスチャー・ポップという点では現代チックで優れているだろうし、キャッチーな曲も素晴らしいと思うが、ステージング的に惹かれる物が無かった。
Aqua Timez
フェス最盛期以前に旬が過ぎたバンドの在り方として、自分たちの音楽を貫き続けている点には感心した。世代としては「虹」「決意の朝に」などお馴染みの曲が聴けて嬉しかった。いい年齢して(歌うのが)気恥ずかしいけどと歌った今の彼らの「等身大のラブソング」は若いだけの当時と違った哀愁も染みていて良かった。
KEYTALK
コアなファンとして言うが、何度も観ているKEYTALKのフェスでのデフォルトの光景。新作AL発表、怒涛の新曲リリース、Mステ出演など飛躍の一年を駆け抜けている彼ら。ロッキン史上最大規模の動員でのパフォーマンスに熱気は凄まじかった。30半ばにしてサークル作る自分もどうかしていると思うが、楽しければいい。それを体現するに相応しい楽曲も数多くある。「MONSTER DANCE」「MATSURI BAYASHI」「Summer Venus」等(シーンによって見合った楽曲を作れるのは義勝が敬愛する桑田佳祐と通じるところがある)。個人的には「fiction escape」を演ってくれたことが何よりも嬉しい。こういうバンドが今のフェス・シーンを支えているんだなと思う光景に安堵感を覚える。
RADWIMPS
桑田佳祐やB’zなどの超大物や、ゆず、ももクロ、ポルノなどの人気大衆ポップ勢が多く出たステージの、今年のオオトリを務めるのに最も相応しいバンドであることを、誰の文句も言わせない圧倒的な演奏力と素晴らしい楽曲群で魅せたRADWIMPS。完全勝利である。2016年の年末に聴いた「前前前世」は総括的な意味合いもあったし、感慨深さが凄まじく感動したが、それを含む「夢灯籠」「スパークル」など『君の名は。』楽曲を野外でやった意味は大きい。圧巻だった。しかも、比較的、最初の方で演ったのは、自分たちが『君の名は。』だけではない意思表示にも思える。過熱する映画バブルで終わらせないという。お馴染みの「おしゃかしゃま」の各ソロパート回しの上手さも際立っていたし、「君と羊と青」の爽快さで幕を閉じ、アンコールで「有心論」が久々に聴けたのは嬉しかった。
今年を総括してみる
渋谷氏の発言では今年も動員を更新したという(1,000人増やしたらしい)。日本のロックフェスでは最大規模で最も人を呼ぶフェスである。その分、大衆ポップのアーティストが増えるのも仕方ないだろう。あれほど忌み嫌ってきたB’z(ビーイング)を呼んだことに些かポリシーのブレを感じたが。ただ、忘れないでほしいのは、ロッキンをこれまで支えてきた偉大なバンドたちの存在。根底のテーマはロックであることを。耳馴染みのヒット曲を歌って観衆が大合唱になれば素晴らしいなんて安直なカラオケノリのイベントでなく、ロックを求める客がメイン層であってほしい。それと、フジロックの客が中年層で溢れかえったことも話題だったが、自分も20歳そこそこでロッキンに来始めて、13年連続で参加してれば相応に年を取る。すっかり年長組だ。今年は少し客の年齢層の幅の広さを感じたが、若者中心よりも多くの年齢層が楽しめるフェスに進化していってほしいと思う。
See you 2018
(文・ROCKinNET.com)
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