意外な対バン相手に驚く。10年ぶりに奇跡的な復活を遂げたELLEGARDENのワンマン・ツアーの対バン相手がONE OK ROCKだというのだ。細美武士をはじめ、もっと旧知の仲のバンド仲間はたくさんいるだろうし、ワンオクとの繋がりがあったことさえ知らなかった。どことなく、ELLEGARDENは叩き上げでライヴハウスからカリスマ的地位に上り詰めた感があるのに対し、ONE OK ROCKも実力派であることは間違えないが、所属事務所が大手芸能プロであることから、タイアップ、プロモートバンドのイメージが払しょくできずにいる。
対極な二組だなと思うのだが、細美が自身のラジオ番組「Hedgehog Diaries」(bayfm)でELLEGARDENの復活はTakaがインスタで綴ったりとか、直談判したりとか色々な助けがあったことを暴露した。また、細美がTakaをヴォーカリストとしての実力を評しているという。当然、Takaもエルレを敬愛しているのは公言していたらしい。要は、相思相愛。
2000年代に絶大なカリスマ性を発揮し不動の人気を誇っていたELLEGARDEN。日本人バンドの世界進出がさほど盛んでなかった頃でもあるが、言わずもがな、特異な存在感を世界で発揮し、国内では収まりきれない活動をしていた。英詩が大半のため海外での評価も高かった。
ワンオクも今や世界基準のバンドである。今年2018年の5月に初のドーム公演を行ったが、チケットの取れなさは尋常では無かった。今やチケット入手が最も困難なロック・バンドかも知れない。そんな彼らがデビューしたのは、2007年のこと。ELLEGARDENが活動休止する僅か一年前である。そこから、武道館、横アリとライヴ規模を拡大していく速度は凄まじく速かった。2010年代のことである。このように、2008年に人気絶頂で突然の活動休止を発表したELLEGARDENに代わるようにワンオクは台頭してきた。もちろん、ワンオクだけではない。他のバンドもELLEGARDENの椅子を狙うかのように人気を得て行った。[Alexandros]なんかもタイミング的には被る。
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2000年代のロック・シーンを牽引してきたELLEGARDEN。2010年代のロック・シーンを牽引してきたONE OK ROCK。何か相思相愛以上に宿命めいたものを感じる。まったくの妄想話になるが、世代も違う、現代最も人気を博しているワンオクを対バン相手に選んだのは、ELLEGARDENが現代に通じるかの挑戦であると思える。各メンバーは活動を続けて来たにせよ、エルレは10年前のバンドである。楽曲も10年以上前の楽曲だ。今聞いても古臭さは全くないが、これだけの長期間休止してきたバンドを再度稼働させるというのは想像以上に大変なことだと思う。
よく90年代の伝説的なバンドが復活して話題になったりするが、結局は最初だけ。持久力が無い。新曲が浸透しないのだ。復活ライブも昔のファンの懐メロカラオケ大会で終わってしまうのを肌で感じていた。それでは、復活させたい意味が無い。エルレは強い決意を持って休止し、それ以上に強い決意を持って復活した。毎年毎年、その熱き思いをブログに綴ってきた細美の言葉に表れている。30代40代の旧来ファンと同窓会で終わらせても仕方ないという姿勢が感じられる。ワンオクと対峙することで現代に真の意味で復活できるか真剣勝負を挑んでいるように思えるのだ。伝説と現役が交わる時、どんな光景が広がるのか? 今から楽しみだ。
まだまだ先と思っていた復活ライヴまで一カ月を切っている。
日本のロック・シーンに凄い時代が始まる気がしてならない。
(文・ROCKinNET.com編集部)
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