関ジャニ∞から渋谷すばるが脱退するという。特段ファンでもないので驚きもせず「へぇ~」くらいにしか思わなかったが、渋谷というイチ歌手に関しては思うところが多い。
退所組は徹底的に潰しに掛かることでも有名なジャニーズ事務所が、異例とも言える記者会見を開いたことからも、この独立が事務所にとって大きな事件であることを物語っている。SMAPの解散以降、世間のジャニーズに対する風当たりが強くなっていることからも、非常に敏感になっていることも示している。
渋谷は年内は関ジャニ∞のメンバーであるにもかかわらず、2018年7月から始まる5大ドームツアーには不参加するという違和感ありありな立ち位置で残り約半年間を事務所に籍を置くことになっている。
関ジャニ∞はジュリー藤島次期社長の派閥とも言われ、ジャニー喜多川社長も推していたグループでもある。次世代のジャニーズを背負う存在とされてきたのは明白だ。たいした才能も無いのに司会業にゴリ押しされている村上信五がいい例だろう。それだけ重宝されていただけに今回の独立騒動は、事務所側としても予想外の出来事であり大きな痛手と成り得るのかもしれない。
そして思うことは、渋谷すばるが脱退したことで関ジャニ∞は音楽的な才能を失ったに等しいと言える。渋谷を初めてテレビで見たのは、彼がまだJr.時代で彼是20年近く前になるが、その歌唱力の高さに驚いたことがある。それまで歌唱力の高いジャニーズのアイドルはさほどいなかった分、「ジャニーズのクセに」なんて嫉妬めいた思いもあった。実は筆者は渋谷と同学年。二物を与えられた渋谷への嫉妬かも?(笑)
しかし、彼の音楽に対する態度は真剣そのもので、ソロ活動を行う等、ミュージシャンとして、歌い手としての思いは人一倍強かったのかもしれない。2017年のMETROCKでもギターを掻き鳴らしながら歌う渋谷の満面の笑みを報道で見たが(自分はその前日のみ行っていたので生では見れなかった)、「普段は関ジャニってアイドルやってます!」と叫ぶ渋谷の姿は、通常のアイドルのコンサートではない環境に解放されて、音楽を心底楽しんでいるかのようにも見えた。
彼は、アイドル的な音楽ではなく、もっとアーティスティックな方向性に進むのではないかとさえ思えたし、関ジャニの中でも最もフェスのステージに映えていたし、それを実現するに十分な実力も兼ね揃えているから、この先、非常に楽しみである。ジャニーズとテレビ局の忖度によって、メディアで見かけることは、ほぼ無いと思うが、彼の実力ならフェスなど生身勝負なステージで活躍できると思う。
脱退会見で「目標にしてる先輩はいたか」という質問に対して「いたら辞めるわけないでしょ」と言い切った渋谷が素晴らしい。媚びない姿勢が好きだ。ジャニーズ事務所という大きな権力に立てつくような言葉に彼なりの本域度を感じた。
この脱退から数週間後にTOKIOの山口達也が書類送検されたり、同じ関ジャニの錦戸亮が瑛太と揉め事を起こしている等、スキャンダルが絶えず、求心力を徐々に失っているジャニーズ事務所の今後も気に掛かるところだが。
(文・ROCKinNET.com編集部)
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