恒例企画となりました、今年もやっちゃいます!
個人的に独断で勝手に選ぶ、素晴らしい邦楽ベスト10!
未だ収束の兆しを見せないパンデミックに大きく苦しめられた音楽業界ですが、夏以降の感染者数の現象により以前のような有観客ライブが実現してきたことは嬉しい限りです。Ado、優里、BE:FIRSTなど、新世代のアーティストも登場し賑わったシーン、数多くの楽曲を聴き込んできた末に選ばせて頂く「独断で勝手に選ぶベスト邦楽10選」はこれだっ!
第10位「空と青」家入レオ
「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」で、初のドラマ出演も果たした川上洋平が手掛けた同ドラマの主題歌にもなった楽曲。[Alexandros]らしいモダンで繊細な旋律により、家入レオの澄んだボーカルが映え、楽曲提供が見事に「吉」と出ていた。≪いつかまた夜を越え≫と始まるサビに希望を点しながら、ドラマ内容を反映した楽曲作りに川上のソングライティング能力の高さに唸るばかりであった。
第9位「Half of Me」DYGL
邦ロックなる言葉が流行して久しいが、国内ドメスティック産業にしか興味を示さない閉塞感や二番煎じなバンドが多い中、彼らのように渡米し、ストロークスのアルバートとの楽曲制作を経て、独自のサウンドを追求する姿勢は、大袈裟で無くとも格好良い。90年代のオルタナ的雰囲気を感じさせ、ポップに開き直ったサウンドは、清々しいほどに最高だし、今後の飛躍を感じ高揚感も覚える。
第8位「Ordinary days」milet
彼女の登場は実にセンセーショナルであった。内省的で大衆から切り離されたコアな世界観は賛否分かれたが、ここにきて彼女は王道ポップを世に送った。≪願わくば、そう/悲劇よりも喜劇よりも見ていたいのは/奇跡のような当たり前を照らすこの日常≫とはじまる歌詞、日常が日常で無くなった今だからこそ胸にズシリと来る。≪君に笑ってほしいのさ≫と祈りすら感じるサビは奥行きのある彼女の力強い歌声で説得性も増していた。
第7位「なないろ」BUMP OF CHICKEN
藤原は空を描かせたら上手い。いつも空に宇宙に希望を見出す。雨上がりの情景を繊細に描いた楽曲に、どこか困難の中でも、明日を夢見る人々の気持ちに寄り添う寛大さも感じられる。≪高く広すぎる空の下 おはよう 僕は昨日からやってきたよ≫と、昨日何があっても今日を迎える全ての人間を後押しする「人生肯定感」が、軽快なリズムに乗せて奏でられ気持ち良い。ストリングスや金管楽器などカラフルなサウンドも感動的だ。
第6位「炎の聖歌隊[Choir]」桑田佳祐
サザン的な王道の楽曲ながら≪見えないジョッキで乾杯だ≫とコロナ禍を意識した歌詞も秀逸。ようやく待望の有観客ツアーを開幕するに当たり、≪開演お待ちどうさん/ご来場大変ご足労さん/毎日お疲れさん≫と、抜群の韻の踏み方のセンスでライブ映えを狙った楽曲作りも完璧。かつて桑田は「ビタミン海」という言葉で(ビタミンのように敢えて海とか夏とか歌詞に入れるのに嫌気がさした時期もあると)、夏曲を作るジレンマを語っていたが、やはりサマー・ポップを作らせたら天才と認めざるを得ない。
第5位「アイラブユー」SUPER BEAVER
今の時代に何を描けば良いのか、不要不急とされた音楽が果たす役割とは何なのか、日頃から世界のすべてを肯定し続けてきたビーバーが導き出した答えは、ド直球な「愛」だった。それを「歌いたい」と言う。「愛してる」と言う。何かと下を向きがちな毎日、分断が進む時代、≪褒められたなら「ありがとう」でいい/嬉しい時は嬉しいでいい≫と当たり前に肯定感を祝福する。彼らの音楽を時代が必要としていると感じた年だった。
第4位「YONA YONA DANCE」和田アキ子
和田アキ子とフレデリックとの化学反応が、これほどマッチして凄まじいとは思っていなかった。流石は元祖和製R&B女王の圧倒的ヴォーカル力とリズム感は10年代を代表するロック・バンドの疾走感溢れる楽曲すら軽々と乗りこなす。tiktokで大流行してもピンと来ないらしく他人事のようだ。逆に、毎年挑むというジャズの聖地ブルーノート東京でのライブに力を入れる、正に「地の歌い手」の底力を見せ付けられた気がした。素晴らしい。
第3位「EN」UVERworld
常に自分をアップデートさせようとする人間は魅力的に見えるし、そんな人間がいるバンドは腐らないと思うが、ここに来てTAKUYA∞はバンド史上でも類を見ないほどの力作を完成させた。正しさも過剰に振りかざせば批判の嵐に変貌したりと、正義が揺らぐ現代。≪誰かを指差し非難する 大概その指はそいつより汚れてる≫≪愛を粗末にする奴は 何に勝ったって 一生負け組≫と、確固たる信念に敵う概念などないことを諭す。己の信じる全てをぶつけた歌詞に鳥肌が立ち感涙だ。
第2位「不思議」星野源
星野源によってシティ・ポップの新時代の傑作が生まれたようだ。どこを切り取っても美しいメロディは、80年代のシンセ・サウンドを彷彿とさせるが、懐古主義に走っていないのは、ベース展開が面白く、先が読めない楽曲構成にある。だから「久保田利伸が歌ってそう」で片付けられる今までのR&Bとは一線を画す。無駄を省いて斬新さを表現するという難易度の高い挑戦が見事に成し遂げられた意欲作であり、J-POPの革命的楽曲と言って過言ではない。
第1位「きらり」藤井風
文句なしで今年、いや、ここ数年のポップの最高傑作である! 正しく唯一無二。歌唱力の高さも、圧倒的な世界観も、J-POPに縛られない最先端のサウンド作りも全てが革新的。大沢伸一の多様なジャンルをミックスしたワールド・ワイドなサウンドの雰囲気を纏いつつも、久保田利伸のようなアメリカナイズされた王道R&Bを現代風にアップデートした2021年の先端をいく傑作に鳥肌が立つ。爽やかに歌い舞う”プリンス・オブ・ポップ”藤井風の姿に、新時代のカリスマ到来の予感すら感じた。
今年はこんな感じです。非常に困難な時代ではありますが、音楽シーンは常に動き、その速度は日に日に増しているように感じます。素晴らしい才能が現れることを来年も祈り・・・・・・
See you 2022!
(文・ROCKinNET.com編集部)
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