昨年2018年のサマソニのヘッドライナー以来なので約9ヵ月にも満たない再来日だ。単独公演としては約4年ぶりで意外に期間が空いていることに驚く。構成は2017年に発表された『フー・ビルド・ザ・ムーン?』が中心でサマソニのままであったが、劇的な変化としてはバンドの成熟度が増していたことだった。それは純粋にノエルとフライング・バーズとの息が絶好調に揃っていて演奏に隙が無いこと、ソロ時代の楽曲が定着してきてライヴに映えるという事実、またノエルの楽曲の振れ幅が新作の度に広くなるに比例して、音に厚みが出てきたことだ。
Hey hey heyというノエルのボーカルとコーラスが酩酊的に伸びやかに交差するサイケデリックな「Fort Knox」を経て「Holy Mountain」が始まった時の高揚感ったらない。華々しいライヴ開幕に相応しい。終盤の「If I Had a Gun…」「In the Heat Of The Moment」などソロ曲でもノエルのライヴに欠かせなくなった楽曲がしっかりと存在感を際立たせていることも嬉しい。
当然オアシス時代の楽曲もやる。非常に楽曲数が多かった気がする。ノエル自身が、オアシス時代を憂いていないことの証明でもある。
正直なことを言えば、初のソロ来日時の武道館公演ではデビュー作の披露よりも、会場の空気感はオアシス時代の楽曲を聴ける方に期待は寄せられていた気がした。しかし、もはや、それがない。ソロ曲とオアシス曲を数曲ずつ交互に組み込んだ構成ではあったが、もはや境目が無いのだ。「Wonderwall」にせよ「Little By Little」にせよ、言ってみれば90年代の古い曲もあるにも関わらずだ。そこに今年2019年にリリース予定の新作からの先行曲「Black Star Dancing」が並列する奇跡。ノエル自身の総合的な25年に及ぶキャリアのどの欠片も色褪せてないのだ。
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アンコールではお決まりの「Don’t Look Back In Anger」の大合唱が巻き起こり、サマソニ同様に大ラスではビートルズの「All You Need Is Love」で幕を閉じた。至福の時間が過ぎるだけだった。
今年2019年はオアシス解散から10年になる。この10年の間に幾度となくノエル、リアム兄弟の一挙手一投足に世界は注目してきた?振り回されてきた?わけだが、それでもオアシスの復活を願って止まない自分がいる。そんな自分の想いが砕け散るくらい、今回のソロは完璧だった。
(文・ROCKinNET.com編集部)
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セットリスト
01.Fort Knox
02.Holy Mountain
03.Keep On Reaching
04.It’s A Beautiful World
05.She Taught Me How to Fly
06.Black Star Dancing
07.Talk Tonight
08.The Importance of Being Idle
09.Little By Little
10.Dead In The Water
11.Everybody’s on the Run
12.Lock All The Doors
13.If I Had a Gun…
14.In the Heat Of The Moment
15.The Masterplan
16.Wonderwall
17.Stop Crying Your Heart Out
アンコール
En1.AKA… What A Life!
EN2.Half The World Away
En3.Don’t Look Back in Anger
En4.All You Need Is Love
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