takaというロック・ミュージシャンは本当に馬鹿が付くほどに真っ直ぐで、時にその愚直さが仇を呼ぶこともあるけど、結局彼は本気で自分の音楽で以って世の中を良くしたいというストレートな感情で音楽をやってるんだなと感じた公演だった。
新作『Ambitions』を引っさげてのツアー。ワンオク史上国内最大規模の全国ツアーである!
昨年のロッキンの超絶パフォーマンス、渚園での5万人ライヴを観れば、彼らが人気という面で国内のロック・バンドで敵無しと断言できる位置にいることは明白だ。
いつだったか同じ事務所の桑田佳祐が彼らを「間違いなく日本一のバンド」と称し、「僕ら(サザン)はテレビに出ないと売れないが、彼らはテレビに出なくても売れる」ことを指摘していたが、正に露出が少ないことに反比例するように人気が雪だるま形式に大きくなって、一般大衆化していく・・・この日、驚いたのは、老若男女問わず非常に幅広い観客がいたことだ。こんなロック・バンドは今までいなかった。
この『Ambitions』を以ってワンオクは世界基準のバンドだと自ら証明した。それは何よりもサビを最重要視するJ-POPとは一線を画し、印象深いリフと、壮大な音の重厚さ、コーラスで聞かせる楽曲が多かったことに表れている。メロディにワンオクらしさは当然あれど、まるで、リンキン・パークやフォール・アウト・ボーイの新譜かと思えるような洋楽チックな楽曲が多かった。世界進出を続ける彼らが、コレを目指していたのは数年前から気付いていたが、なかなか到達できなかった・・・その念願を新作『Ambitions』で実証したのだ。
そして、この日のパフォーマンスで、日本で海外公演と同じテンションの高さで、それら世界基準の楽曲をステージ上で体現させた。客もそれに応えた。(途中で事故も起こり中断したが、)その光景は見事としか言いようが無かった。
もちろん、お馴染みの曲を演るサービス精神も忘れない。「Wherever you are」で観客の心をぐっと掴み、「The Begining」「Mighty Long Fall」で会場の熱量を限界まで上げた力強いパフォーマンス、本編ラストの「We are」で大合唱を巻き起こす。
いつの日かロック歌手は、孤高のカリスマとして君臨する存在ではなくなった。
観客と目線の高さを揃え、共に行きにくい現代を歩んでいく、この日takaが言い放ったように「俺たちは自分たちのために音楽をやってる。だから、ワンオクが無くなったら生きていけないなんて寂しいことを言ってほしくない。自分たちの道を生きて欲しい。そのキラキラしたものを失わせないためにも僕らの音楽が役に立てたら嬉しい」といった旨のことを言った。一見突き放すような言葉にも聞こえるが、カリスマに依存することでなく、共に歩むことで、多くの人間でONE OK ROCKという物語を紡いでいこうとしてるようなメッセージを感じた。
アンコール、お馴染み「完全感覚Dreamer」で大大円を迎えた本公演。ワンオクの今後の快進撃が益々楽しみになったツアーに参加できたことに喜びを隠せない。
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