今年で20周年を迎えたサマソニ!とにかく暑い!
最高気温40℃に迫る酷暑となったサマソニ2日目。灼熱地獄とも言えるようなとんでもない日差しが容赦なく降り注ぐ。都市型フェスなので余計に気温が高く感じる。アスファルトからモワァ~と舞い上がる熱気。例年サマソニの時期は盆を過ぎ、暑いは暑いんだけど暑さのピークを超え、雨も多かったり、海風を感じて時期的に僅かな清涼感を感じることができるものだが、今年は特に暑い! 今までも何度も暑さによって危険を感じたことがあるが、今年は群を抜いている。サマソニ歴も13年目にもなれば温暖化も感じるって意外な発見(笑)2017年では会場でカウントダウンTVにインタビューされて、十何年来てると言ったら番組スタッフが驚愕して「ベテランっすね」言われたけど、自分と同じ常連は多いと思うけどな。
Official髭男dism
大ヒット中の「Pretender」の影響もあってか、国内において今年の最重要ポップ・バンドとなった髭男。サポート・ミュージシャンにパーカッション、キーボード、ホーン隊を従え、バンドのスケールが大きくなったことに加え、演奏以外に振付で魅せるなど演出面も凝り、エンタメ性が増していた。特に、飛び跳ね、叫び、ステージを縦横無尽に動き回る藤原(Vo/Key)の前のめりなアグレッシブさが冴えわたる力強いパフォーマンスが印象的だった。昨年のロッキンで初めて彼らを観た時も、お坊ちゃんバンド的なイメージを覆す攻撃性に驚いたが、それがよりアップグレードされていることに如何に髭男が今まさにノリに乗っているかが分かる。海外アーティストと同じ舞台を踏む意識からか、他の邦楽フェスよりも気合を感じる圧倒的なポップ・ショーに昇華されていたことに感動を覚えた。
マキシマムザホルモン
よりによって最も気温の高いお昼頃の時間帯に、野外で彼らを観ることが如何に危険かと思うほど灼熱地獄だったが、会場には溢れんばかりの人で埋め尽くされた。ナヲ(ドラムと女声と姉)も言っていたが「無理は絶対にしないで欲しい」くらい会場の熱気も凄かった。「これからの麺カタコッテリの話をしよう」からの新曲群がすっかり定着していることが嬉しい。ダイスケはん(キャーキャーうるさい方)が「明日も生きたいと思えるライヴにしようぜ」と言ったが、この言葉、2011年の東日本大震災後に出産を終えたナヲもサマソニのステージで言っていた言葉であった。ホルモンのハードコアは希望を見出すだから多くの支持を集める。
途中で浜崎あゆみの暴露本「M 愛すべき人がいて」の本をパロディ化した「M 隠すべき人がいて」と茶化した画像が写し出され「Mはマンウィズのこと」とさらにパンチ。同バンドに影響を与えたランシドやレッチリが出ることに興奮を抑えられないMCも挟み「F」「恋のスペルマ」と炎天下でも容赦ないセットリストを展開するホルモンの攻撃性は流石だった。
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cero
サマソニ来たら絶対に足を運ぶようにしているのがビーチステージである。東京湾のすぐ横で潮の香りと共に聞く音楽は最高なのと、どことなく漂う異国感が好きだ。ただ、そこに流れる音楽も何でも良いというわけでもない。聴いたのはcero。エキゾチカをJ-POPと融合させたサウンドは海沿いの雰囲気にマッチして本当に心地良かった。「Summer Soul」の一体感も楽しい。さっきまでの灼熱地獄だった身体に清涼感を与えるかのようだった。
ここで少しばかり屋内避難・・・・・・
サマソニはポカリを買うのに数十分並ばないといけない。特に今年は人が多いので苦労した。寝不足ということなどの事情も考えて少し休憩。特に移動が大変なサマソニは「ここでコレ見よう」など、当初の予定通りにはいかないことが多い。ランシド、ゼブラヘッドなど見たかったバンドが観れなかった後悔はあるが、それを含めてサマソニ(笑)
RADWIMPS
日本を席巻中の映画『天気の子』の主題歌で再び大きな注目を集めるラッド。彼らをサマソニで観るのは2008年以来のことで、以前も日本人唯一のマリン・ステージ出演として注目度は確かなものであった。しかし、「前前前世」の大ヒットにより国民的な存在となってサマソニに戻ってきた彼らの進化が楽しみだった。個人的にはバンドの大衆性と演奏力は必ずしも比例しないと思っているのだが、ラッドに関しては知名度も高いと同時に、演奏力も非常に高いと思っている。それは例の「おしゃかさま」で如何なく発揮されていたし、それこそ進化でもあり、流石だった。ポップ、プログレと実に多様な楽曲で構成されたステージはレッチリ直前というプレッシャーを跳ね返すだけの勇ましさも感じた。けど、この日の彼らのパフォーマンスは既に過去何度か見たラッドの姿で、新鮮味には乏しかったかも知れないが、ラストの「愛にできることはまだあるかい」に至るまでの圧巻のシークエンスと大団円っぷりは否応も無く納得させられるものだった。
Red Hot Chili Peppers
2011年東日本大震災直後、セレブが来日を控える風潮にある中、レッチリは気にする素振りを見せることなくサマソニに登場し、我々を勇気づけてくれた。あれから8年が経過した。今年のサマソニはレッチリを観るために開催されたと言っても過言ではないんじゃないかと思える。そのくらいレッチリは偉大だと確固たる自信を持って言えるパフォーマンスだった。
まず、登場するだけで感じられた無敵のオーラからして桁が違う。そして、この日のセットリストが半端なかった。フリー(Ba)とチャド(Dr)、ジョシュ(G)のセッション的な演奏から「Can’t Stop」に雪崩れ込んだ瞬間、アンソニー(Vo)の登場と共に、マリン・スタジアムが爆発するんじゃないかと言う大歓声が沸き起こる。そこからは「Dani California」「Californication」「By the Way」「Give It Away」と誰もが聴きたいレッチリを十分に堪能させてくれた。まさに奇跡とも言える選曲。至極のパフォーマンスに涙が出る思いだった。特に滅多に演らない「Around The World」のイントロが流れた瞬間の感動は忘れられない。途中でフリーとアンソニーが「ハナビ♪ハナビ♪」とおちゃらけながらリズムを形作っていったが、そんな自由さもレッチリらしく好きだ。アンソニーの声が本調子じゃなかったように思えたが、レッチリは常に生身で丸腰で勝負しているところが良い。だから演奏でほつれることもあって然りで、しかし、リズムがよれた時にチャドがスネア入れただけで立て直すところとか最強すぎる。言葉もない。長らく来ているサマソニで観た数々の名演の中でも上位に入る究極のロック・ショーだった。
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今年は邦楽勢を多く呼び過ぎた気もしている。否定ではない。サマソニはあくまで洋楽主要のフェスであり、今までの傾向もそうだったという指摘。国内の需要が邦楽に傾いていることは、もう十年以上前から言われていることだが、頑なに守ってきたものはあるはずだ。昨年2018年は動員的に寂しい結果に終わった分それを取り戻すための邪道とも言える手段を使った気もしなくもない。興行とはそんなもんだ。けど、やはり世界が誇るフェスに、フジロックとサマソニだけがランクインされていることを考慮すれば、国内のマスターベーション産業に傾倒せず、和洋折衷にせよ、洋楽が主軸のサマソニに戻ってほしいと思ったりもした。
来年は東京五輪の影響でサマソニは開催を見送る宣言を早々にした。2021年に戻って来ると宣言もしてくれた。どんなサプライズが待ってるか、少し先になって寂しい気もするが、気長に待っていたい。サマソニあっての夏でだから。
(文・ROCKinNET.com編集部)
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